統合失調症の患者から、この世界はどう見えているのか? 発症体験を本人が描くコミックエッセイ『今日もテレビは私の噂話ばかりだし、空には不気味な赤い星が浮かんでる』4月20日発売

コミックエッセイ『今日もテレビは私の噂話ばかりだし、空には不気味な赤い星が浮かんでる〜統合失調症の私から世界はこう見えた〜』(著者・Himaco)が4月20日(木)に株式会社KADOKAWAより刊行される。

患者自らが描く、発症時の「世界の見え方」がリアル

100人に1人が罹患すると言われる「統合失調症」。決して珍しくはない病気だが、幻覚や極端な妄想など、症状が通常の精神状態からはかけ離れているため、その理解は必ずしも進んでいるとは言えない。 発症した時、本人の脳内はどんな混乱状態になっているのだろうか? この本は、まさか自分が統合失調症になるとは思っていなかったという著者のHimacoが、自らの闘病から社会復帰の過程までを、繊細かつ優しいタッチで描いたコミックエッセイだ。

いつの間にか統合失調症に陥っていくまでの描写が秀逸

Himacoさんは22歳のころ、とても不思議な感覚を得た。頭が回りすぎるくらい回転して鋭敏になり“思考が飛躍”。脳が勝手に、どんどん小さな情報を拾ってはストーリーを作ってしまうようになる。 電車で隣に座った人の貧乏ゆすりを「何かの暗号か?」と脳が解釈してしまったり、テレビでは「いつも自分のことが話題になっている!」と錯覚してしまったり。

▲書籍より一部抜粋

症状がやや落ち着いてからも、社会復帰を焦る中で再び精神的な不調に陥ってしまう。それでも徐々に病を受け入れ、やがて自分のペースで生きていくことを決意する。

▲書籍より一部抜粋

HimacoがSNSで発表し反響を呼んだこの実体験コミック。今回の書籍化では、社会復帰の苦労など未発表の体験エピソードを大幅に追加。統合失調症の当事者や関係者、また病気の内容を知りたいという方にも参考になるような構成になっている。

著者からのメッセージ

統合失調症のことをあまり知らない人にも発症時の体験を想像してもらいやすいように、表現を工夫しました。なんでもない日常から幻覚や妄想にいたるまでの道筋を描いています。発症後のお話では私の葛藤や失敗した体験、そして今現在幸せに暮らすまでを描きました。当事者の方やそのご家族の方、そしてこの病を身近に感じたことのない人にぜひ読んでいただきたいです。

内容

発症編/発症

発症した後で編/発症後、社会復帰挑戦、就労移行

入院編/入院1.、入院2.

受け入れる編/病の受容

伝えたいこと編/伝えたいこと1.現実を生きるために ほか

【著者プロフィール】

Himaco:和歌山県在住。短期大学を卒業後、栄養士として働くなかで統合失調症を発症した。絵を描くことが趣味で、発症時の体験をコミックエッセイにまとめSNSで発信し反響を呼ぶ。著書に絵本「統合失調症を患ったお話」(いしだえほん)がある。

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