アマチュア山下勝将がホールインワン! 姉・美夢有が2日連続決めたホールで

ホールインワンを教えてくれたのは石川遼先輩(撮影/中野義昌)

◇国内男子◇関西オープン2日目(14日)◇泉ヶ丘カントリークラブ(大阪)◇7038yd(パー71)

会心ではなかった。実測167ydの15番パー3。弱いフォローを計算し、フロントエッジから8ydの左ピンへ、山下勝将は8番アイアンで抑えて打った。打球を見ず、ティを拾う。バッグにクラブを戻そう…と思った瞬間だ。「うわ、入った!」。真横で石川遼の声がした。「え?」。驚いてピンを見た。カップ手前3mに落ちたボールはもう消えていた。

「見てないんです。当たりが薄くて、グリーンに乗っただけぐらいのイメージだったんで」。昨年の日本学生選手権に続く、生涯2度目のホールインワン。石川、中島啓太と同組で2アンダースタートから2ボギーが先行し、直前の14番で初バーディ。流れは来ていたが“まさかの一発で”通算3アンダーの予選通過圏内に急浮上した。

姉と同じホールで、ツアーでは姉より先に(撮影/加藤裕一)

もっと驚くことがある。実は女子プロで昨季年間女王の姉美夢有が大阪桐蔭高時代、同じ泉ヶ丘カントリークラブでホールインワンを決めていた。しかも同じホール、しかも2日連続で。奇跡のような偶然を父勝臣さんは「高校の試合でね。ホールインワン保険とか大変でした」と説明。勝臣さんと母有貴さんはその瞬間、15番ティグラウンド脇にいたものの、大ギャラリーで息子を見られず、美夢有が出場する「KKT杯バンテリンレディース」をモバイル端末で観戦していた。

姉は昨季年間女王になったが、ツアーでエースはまだない。山下は「姉がまだやってないことを僕がやるなんて、ほんまに珍しいんで」と照れた。石川、中島と同組で大ギャラリーに囲まれての快挙に、喜びは格別だ。大会サイドの厚意で、アマチュア規定から除外される“ホールインワン賞”の20万円までもらった。

ビッグネームとのラウンドで多くを学んだ(撮影/中野義昌)

通算4アンダーで、2021年10月「バンテリン東海クラシック」以来1年半ぶり3度目のツアー予選通過を決めた。ビッグネーム2人と予選2日間をともにした経験も財産だ。「自分のプレーをやり切ろうと思ってました。予想より緊張せずできました。グリーン周りのうまさも勉強になりましたし」。いい事ずくめで迎える決勝ラウンドを前に、表情は崩れっぱなしだった。(大阪府堺市/加藤裕一)

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