「特殊詐欺や虐待に厳正対処」京都地検の検事正が抱負 特捜で脱税など摘発

検事正に就任し、会見で抱負を述べる保坂氏(京都市上京区・京都地検)

 京都地検の検事正に就任した保坂直樹氏(58)が14日、京都市上京区の地検で記者会見し「高齢者に対する特殊詐欺や年少者への虐待など、自分の身を守ることが難しい人に対する犯罪に厳正に対処したい」と抱負を語った。

 保坂検事正は新潟県出身。早稲田大を卒業後、1991年に検事になり、最高検検事や宇都宮地検検事正などを歴任した。

 事件の捜査では、東京地検特捜部などで経済犯罪に長く関わり、多くの脱税事件を手がけたほか、組織犯罪や暴力団関連の事件にも携わってきた。海外に拠点を置いた組織犯罪や、闇バイトによる強盗などが発生している昨今の犯罪情勢について、保坂検事正は「非常に憂慮している」と危機感を示した。

 証拠を精査する上で客観的な視点が重要だとし、「検察官は有罪立証に働く証拠に目がいきがちだが、(無罪を示す)消極方向の証拠も見ていくことが大事だ」と強調した。

 関西の勤務は初めて。写真撮影が趣味といい、「神社仏閣など歴史的なものをたくさん見て回りたい」と話した。

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