広島カープ「野球のミスは野球でしか返せない」野間峻祥 執念のタイムリーで今季 ヤクルトに初勝利

14(金)、マツダスタジアムで迎え撃ったのは、開幕カードで3連敗を喫したヤクルトでした。夕方から続く雨でぬかるむマウンドに立ったのは、前回ヤクルト戦で、5回2失点だった 大瀬良大地。

初回、開幕戦でホームランを打たれた村上に打席が回ります。追い込んでからの5球目でキャッチャーゴロに打ちとり、1回を投げ終えます。

その後のイニングは、スパイクに詰まる土を気にしながらも毎回、三振を奪うなど、エースとして堂々のピッチングを見せます。

雨脚が強まってきた5回、8試合連続安打中の 西川龍馬 が、ヤクルト小川のチェンジアップにしっかりバットを合わせ、センター前ヒット。この日、初めてのランナーとして出塁します。

するとすかさず、早くも昨シーズンを上回る3個目の盗塁を決め、得点圏へ進みます。しかし、あえなくバッターの 坂倉将吾 がライトフライに倒れ、得点には至りません。

援護には恵まれない大瀬良でしたが、雨をもはねのける好投を続けます。6回には、村上・オスナから連続三振を奪います。マウンド状況にも自身のペースを乱さず、6回 97球 8奪三振でマウンドを降りました。

するとそのウラ、大瀬良の後を受けた代打・松山竜平 が詰まりながらもショートの頭を越すヒットで出塁に成功します。

続く 菊地涼介。当てるだけが精いっぱいのバッティングでしたが、ヤクルト小川の送球ミスで代走の 大盛穂 は、2塁セーフ。さらにボールがこぼれている間に、それぞれランナーが進塁し、1アウト2・3塁のチャンスへと転換します。

この千載一遇のチャンスで回ってきたのは、野間峻祥。4月2日のヤクルト戦では、痛恨のエラーで決勝点をヤクルトに与えてしまい、「野球の借りは野球でしてか返せない」と意気込んで臨んだ打席でした。

すると高めのカットボールを、前進守備の間を抜くタイムリーに。抜けたボールを確認した瞬間、右手を掲げ、全身で喜びを表しました。

最悪ともいえるグラウンド状況の中、2度の中断をはさみながらも 松本竜也・ターリー が無失点投球で1点を守り切り、8回表が終わったところで雨天コールド。今季、ヤクルト相手に初勝利を上げました。

試合終了後には大瀬良から野間に「ありがとう」と笑顔で感謝を述べられるなど、ベンチも明るい表情に変えた勝利でした。

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