<南風>福祉の精神と園の存続

 保育士・園長・行政が手を取り合わないと、そろそろ福祉施設は成り立たなくなるよね、というお話。

 1947年にさ、困窮する子どもの保護、救済、次世代を担う子どもの健全な育成を図るために、社会福祉制度の先駆けとして児童福祉法が制定されたのね。保育所の定義は(児童福祉法第七条)そこにあってさ。(小難しい漢字が多くてごめんね)。

 一方で、その児童福祉施設の最前線で日々切磋琢磨(せっさたくま)している保育士の先生方の辞める理由3選が(1)職場の人間関係(2)給料が安い(3)仕事量が多い―なんだけど(厚生労働省「保育士の現状と主な取組」)。

 現場の先生たちが保育士になった理由や働く意味、やりがいは「子どもが好きだから」「子どもの成長を間近で感じられる」、そして「もっと子どもたち一人一人の支援、保護者支援」などなんだよね。どうもね、「保育士の専門性以外の環境と仕組み」が専門職のスキルや働きがいを邪魔してるんですよね。

 ただ園長先生や理事長だけに働き方改革や少子化対策(園の広報や地域活動・行政との連携など)を強いるのも、そろそろ違うんじゃないかとも思って。「じゃどーすんの?」。離職率を下げる方法や給与、法律を変える?

 いや答えが出ている保育園なんてどこにもないんですよ。だから精神論や昭和から変わっていない、変わり切れない現状から、新たな環境や仕組みを、園長も保育士も一緒に知恵を出し合ってさ、試してみて失敗ももちろんしてさ、園独自・地域性・保育士の現場の声で創っていけないかな。なんて思っています。

 子どもたちに「まずはやってみよ。大丈夫。練習したらできるよ」って毎日言っている大人が、まずはやってみる。そんな社会を地方の地方、ここから始められると思うな。

(玉城伸悟、主任保育士 tetote代表)

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