G7サミットみやげ なにがどう選ばれる? 「広島県産品推薦リスト」には1345品…

G7広島サミットが、来月に迫っています。サミット開催のたびに話題になることの一つが、首脳陣へのおみやげです。

ちなみに、2008年の洞爺湖サミット(北海道)では、「アイヌ文様の革製かばん」「アイヌ文様をモチーフにデザインされた風呂敷」などが、また2016年の伊勢志摩サミットでは福島県の銘酒「会津ほまれ」やアコヤ貝を使った「貝細工」がなど選ばれていました。

では、今回は…というところですが…、広島サミット県民会議のホームページには、「広島県産品推薦リスト」というものが公開されています。

農産物や飲料から工芸品に至るまで合わせて1345品。これは、去年8月までに市町を通じて推薦されたものです。

広島県産品推薦リスト
・広島県内で生産・製造していて、市町として売り込みたいもの
・問い合わせに対して速やかに対応できるもの

広島サミット県民会議 事務局によりますと、県民会議として首脳陣に贈る記念品、いわゆる “おみやげ” は、これを参考にして検討されています。

今回のサミットではどれが選ばれるのか? 番組で、魅力的な品を探してみました。

広島サミットみやげ どれが選ばれるのか?

広島・東広島市 西条にある「スタンディングバー ラジカル」。西条のお酒を中心に全国各地の日本酒がずらりと並ぶこの店でことし、ある企画が実施されました。

スタンディングバー ラジカル 冨島基 店長
「G7のサミットが近づくにつれて、お客さまの方から『どの酒が乾杯酒に?』という話は自然発生的に出てきましたので、じゃあ、もう投票してみるかと」

「G7広島サミット 乾杯酒はこれだ!総選挙」を仲間の飲食店4店と一緒に開催し、お客さんに投票してもらったところ、名だたる銘酒の中から選ばれたのは…?

冨島基 店長
「1位は、賀茂鶴でした。オバマさん(当時、米大統領)が来られたときに『ゴールド賀茂鶴』というイメージがすごく強く、みなさんに残っていますので、もう一度、そういうことが起きたらおもしろいんじゃないか、楽しいんじゃないかと」

「乾杯酒!総選挙」で堂々の1位に選ばれた賀茂鶴酒造(東広島市)の感想は?

賀茂鶴酒造 営業部広報課 新谷ゆみ さん
「地元の飲食店さん、地元の方に選んでいただいたっていうのは本当にうれしいなと思いますし、いい意味でのプレッシャーもあります」

実際のところ、どうなんですか?

賀茂鶴酒造 新谷ゆみ さん
「よく聞かれるんですけれども全く存じ上げません。知らされておりませんので。もし使われていたのであれば、当日、わかるということですね」

とはいえ、自慢の酒は世界の料理にもぴったりだと、外交の場面で飲まれることを期待しているといいます。

賀茂鶴酒造 新谷ゆみ さん
「お酒は人と人とをつなぐ潤滑油のような、人と人との輪をつなぐような役割もありますので、そういった飲んでいただくシーンを想定しながら精魂込めてつくっています」

G7外相会合でおみやげに採用された商品も!

続いては、こちら。2016年のG7外相会合の際のおみやげに化粧筆が採用された実績を持つ 晃祐堂(熊野町)は、今回も「化粧筆」を提案しています。

特徴は、持ち手の部分の木材。1本1本、色や木目が異なります。

晃祐堂 土屋武美 社長
「最近、ウクライナ問題だったりとか、けっこう世界各地で紛争が起こっているので、そういったところで何か強いメッセージを与えるものができないかと」

平和のメッセージを伝えられると期待された木材は、広島市西区の神社の境内にありました。樹齢120年を超えるというクスノキ。78年前の8月6日、原爆にあった樹木でした。

三篠神社 野上光康 宮司
「国道の向こう側に中田さんっていうお宅がありました。そこにあった被爆したクスノキを献木で移植したものになります」

木の西側に回ってみると、“被爆樹木” 特有の洞(うろ)ができています。

三篠神社 野上光康 宮司
「けっこう茂って、重みがますと、幹が割れる恐れもあるので、毎年、せん定するんですよ」

これまでせん定された被爆樹木の枝は、そのまま処分されていましたが、何か平和を伝える「モノ」にしようと今回の商品が生まれました。

晃祐堂 土屋武美 社長
「戦前と戦中、戦後の復興と今の広島の平和な姿を見ている木を使っているということを世界中に伝えることで、乗り越えられない壁はないみたいなイメージを伝えるのに、なにか役立ったらいい」

予想 3品目も評価・実績じゅうぶん!

おみやげ、勝手に大予想、3品目はこちら。ペン先を1本1本を仕上げて作る「万年筆」。呉市 天応にある「セーラー万年筆」の製品は、アメリカの高級筆記具雑誌の読者投票で1位を取ったり、2008年 G8洞爺湖サミットで各国首脳に贈られたりしています。

G7広島サミットのおみやげとしては、2種類を提案しているそうです。

まずは、ペン先に21金が使われているという「截金(きりかね)万年筆」。ふたには折り鶴、同軸には「青海波(せいがいは)」と呼ばれる、波の文様が施された特別仕様です。

セーラー万年筆 開発本部 山口清猛 次長
「青海波は、無限に広がる穏やかな波に、未来永劫と平和な暮らしへの願いが込められています」

ただし、これは採用された場合にのみ、首脳向けに生産されるということです。

もう1種類、提案されたのが、この「彩雅(いろみやび)万年筆」。表面は石の肌のように凸凹になる技法で、色漆が重ね塗りされています。この色にも深い意味があります。

セーラー万年筆 山口清猛 次長
「『千歳緑』という色は『永久不変』といった意味がありまして、変わることのない平和を願って今回、ご提案させていただきました」

◇ ◇ ◇

― 実際に何が選ばれるのかということですが、広島サミット県民会議事務局によりますと、県民会議としての記念品は、「全てが広島県産品推薦リストから選ばれるわけではない。何が選ばれるか、いくつ選ばれるかは現時点では公表できない」とのことでした。

― また、このリストは、国に対しても去年10月に提出済みですが、これまでの流れで考えれば、国はオールジャパンとして記念品を選定するとみられます。県民会議事務局でも、何が選ばれるのか、このリストを参考にしてもらえるかどうかさえ、わからないということでした。

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