ライバルとの差に「少し驚いている」と可夢偉。「決勝は接戦になる」とハートレー/WEC第2戦予選

 4月15日(土)、ポルトガルのポルティマオ近郊に位置するアルガルベ国際サーキットでWEC世界耐久選手権第2戦ポルティマオ6時間レースの予選が行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は8号車GR010ハイブリッドがポールポジションを獲得。7号車が僅差の2番手で続き、最前列グリッドを独占した。

 2022年のWECシリーズチャンピオンであり、ル・マンウイナーでもあるセバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮の3名がドライブする8号車は、ハートレーが見事なアタックラップを見せ、1分30秒171というタイムで今季初のポールポジションを獲得。

 マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペスの7号車は可夢偉が予選アタックを担当し、8号と0.273秒差の2番手タイムをマークしている。TGRの2台は他の9台のハイパーカーを引き離し、3番手の50号車フェラーリ499Pはポールから1.425秒遅れとなった。

WEC第2戦予選でポールポジションを獲得した8号車GR010ハイブリッド

 雲ひとつない快晴、風もなく、気温は26度まで上昇する中で現地時間16時20分に開始されたハイパーカークラスの予選が。15分間の予選セッションの前半、2台のGR010ハイブリッドは、タイヤを適正な温度まで高めた後、アタックに入っていった。

 この日の予選前に行われた公式練習第3回目でベストタイムをマークしたハートレーは、最初に1分30秒台に入れる好タイムをマーク。翌周にはさらに自身のタイムを更新し、8号車のポールポジションと、世界選手権での貴重な1ポイントを確実なものにする。

 可夢偉はハートレーよりもやや遅れてアタックラップに入り、2番手タイムを記録。更なるタイムアップを目指した可夢偉だったが、更新はならず。それでもライバルを引き離すタイムで2番手となり、TGRの2台は追い抜きの難しいアルガルベ国際サーキットでの理想的なスタートポジションを獲得した。

 予選アタックを担当した2名のドライバーのコメントは、以下のとおり。6時間の決勝レースは、16日(日)現地時間12時(日本時間20時)にスタートが切られる。

■小林可夢偉(チーム代表兼7号車ドライバー)
「練習走行でのタイムから、予選は接近戦になると予想していたので、他のハイパーカーとのタイム差に少し驚いています」

「今週は、前回のセブリングよりも予選に向けて少し力を入れました。ポールポジションは狙いたいものですし、獲得できれば嬉しいですから。とはいえ、今はもう決勝モードに切り替えています」

「私自身のアタックラップはとても良かったと思います。今朝の練習走行で新品タイヤを試さなかったので、準備は理想的とは言えませんでしたし、若干苦戦しましたが、全力でのアタックでした。最前列グリッド独占は理想的なスタートポジションであり、あとは決勝レースを戦うことだけに集中します」

アルガルベ国際サーキットでの予選に臨むトヨタGAZOO Racingの7号車GR010ハイブリッド

■ブレンドン・ハートレー(8号車)
「良い感触だった。今回は予選にも少し力を入れたので、1周アタックでのGR010ハイブリッドは素晴らしかった」

「私のアタックラップはクリーンで、フィニッシュラインを越えた時に良いタイムだったというのは分かった。チーム全員が素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、感謝している」

「昨日の練習走行1回目から良い方向に進んできた。このサーキットを走るのは久しぶりなので、一筋縄ではいかなかったし、正しいセットアップのためにハードワークを強いられたが、それだけに今日の予選でこれだけの差がつくとは思わなかった」

「これであとは決勝レースに集中することになるが、フェラーリやキャデラック、ポルシェといった強いライバルとの激戦になるだろうと思っている。彼らのレースペースは良さそうなので、間違いなく接近戦になると思うが、我々は彼らの前からスタートすることができる」

8号車GR010ハイブリッドの予選アタックを担当したブレンドン・ハートレー

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