前年の勢いが隠れ、開幕3戦で未勝利の王者ロバンペラ。WRCクロアチアでの今季初優勝なるか

 TOYOTA GAZOO Racing WRTの一員としてWRC世界ラリー選手権に参戦しているカッレ・ロバンペラ。シリーズ史上最年少でワールドチャンピオンとなった彼は1年前、2022年シーズンのこの時期に3戦2勝を記録していたが、今季はまだ勝利を手にできていない。しかし、若きフィンランド人はこのことをストレスに感じてはいないようだ。

 ロバンペラは第3戦メキシコ終了時点で、ドライバー選手権首位に立つ僚友のセバスチャン・オジエ(TOYOTA GAZOO Racing WRT)とわずか4ポイント差のランキング3位につけ、2023年シーズンもタイトル争いに加わっている。そんな彼は、4月20日(木)~23日(日)に開催される第4戦クロアチアでは表彰台の頂点を狙うことができるポテンシャルを秘めているとの見方をWRC.comが報じた。

 ロバンペラは2022年のクロアチアでは、当時ヒョンデ・シェル・モビスWRTの一員としてWRCに参戦していたオット・タナク(現Mスポーツ・フォードWRT/ランキング4位)とトップ争いを演じ、2019年王者であるタナクに4.3秒差をつけて優勝している。

 第3戦メキシコを終えたロバンペラはWRC.comのインタビューに対し、中米のグラベル(未舗装路)ラリーを振り返りながら、次のように次戦クロアチアへの期待を語った。

「メキシコは僕らにとって簡単な週末ではなかった」と王者ロバンペラ。

「4位でフィニッシュできたことはそれなりのポイントになったけれど、パワーステージではもっと上を目指したかったんだ」

「次は僕たちがより良い順位を狙えるであろうクロアチアだ。クロアチア・ラリーが僕たちにとってより良いものになるよう願っているし、そこでの戦いに期待しているよ」

 このようにロバンペラは今季初のフルターマック(舗装路)ラリーへの期待を語りつつも、「2022年のクロアチアには良い思い出があるけど、このイベントはトリッキーだ。天候が変化すれば難しいコンディションになる」と続け、冷静さをみせた。

 シリーズ“8冠王者”であるオジエと3ポイント差でドライバーズランキング2位につけているヒョンデ・シェル・モビスWRTのティエリー・ヌービルと、同3位のロバンペラのポイント差はわずか1点。このため22歳の“フライング・フィン”にとって、クロアチアでのポイントは非常に重要なものになると見られている。

2022年WRC世界ラリー選手権第3戦クロアチアで優勝したカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組のトヨタGRヤリス・ラリー1

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