◆慶応11-1菅(5回コールド)
慶応は左腕の鈴木が五回1死から登板。打者2人に全く手を出させず試合を締めた。
188センチ、79キロの本格派。選抜大会ではメンバー入りを果たしたが、タイブレークにもつれた仙台育英戦は登板機会を得られず。「苦しい場面で出番があるかと思っていたが、まだあそこで任される実力はなかった」と、悔しさとともに春季大会を迎えた。
「このところ調子が上がってきていた」というこの日は、「まっすぐで押していけた」。バランスのとれたフォームから、4月に入って最速141キロをマークしたという直球をズバッと投げ込んだ。
中軸を担う加藤、センバツで先発した小宅と同じ栃木県出身の2年生だが、シニアで活躍していた2人とは違う、軟式の中学部活動出身。昨夏は腰に痛みが出て思うような練習ができない時期もあったが、新学年になって存在感が増している。
「今日の感じなら、チームに信頼される投手になっていける。小宅に頼りすぎず、自分が代わりになれるように」。「競争」をテーマに掲げる春の慶応にあって、可能性あふれる新たな左腕が大きな手応えを得たようだ。