東村長選が18日に告示 農業振興、小学校の統合…村の課題や公約を立候補予定の2氏に聞く 投開票は23日

 【東】任期満了に伴う東村長選挙が18日告示され、23日に投開票される。いずれも無所属で、2期目を目指す現職の當山全伸氏(74)と、前村議会議長で新人の港川實登氏(71)が出馬を表明しており、両氏の一騎打ちとなる公算が大きい。村の課題や公約、重点政策などについて両候補に聞いた。(聞き手・武井悠)

當山全伸氏「農業振興で経済活性化」
 
 ―出馬理由と1期目の評価は。

 「常に村民目線で、掲げた公約の実現に向けて着実に取り組んできた。今後は少子高齢化対策、農林水産業の推進、雇用の創出を前進させたい。2期目も村民協働で住みよい東村へさらに前進させていきたい」

 「久志村(当時)から分離して今年で100年を迎えた。次の100年の東村の発展を目指して礎をつくっていきたい」

 ―争点は何か。

 「少子高齢化に伴う過疎化をいかに克服するかが一番大きい。移住者を呼び込むためにも住宅確保は非常に大切で、まずはこれに取り組みたい」

 「東村は農業立村なので農業振興抜きには語れない。主要作物のパイン産業で、いかに農家が収入を上げられる体制をつくるかが大きなポイントだ」

 ―訴えたい政策は何か。

 「6次産業化で経済の活性化を図り、その中で農家の年収1千万円を目指したい。パイン農家の収入増につなげるためには種苗の確保が必要で、徹底して取り組みたい」

 ―村内の3小学校の統廃合についてどう考えるか。

 「統廃合はやらざるを得ないが地域の意見が大切だ。じっくり腰を据え、跡地活用や学校運営などを議論するための組織を立ち上げる」

 ―公約実現の財源は。

 「ふるさと納税を活用したい。個人のふるさと納税では地域の特産品を使った返礼品を拡充すれば税収拡大につながるのではないか。企業版ふるさと納税にも取り組みたい」

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 とうやま・まさのぶ 1948年10月生まれ。村有銘出身。日大農獣医学部卒。73年に村役場に入り企画観光課長などを務め、2009年に退職。19年の村長選で初当選した。

港川實登氏「小学校統合を進めたい」
 
 ―出馬理由と現村政の評価は。

 「小学校の統合を巡り、現村政では多くの村民の思いは届かない。ぜひ統合を進めていきたい。さらに周辺市町村長や県内41市町村の首長とも連携を密にして村の発展に寄与したい」

 「4年間副村長がいないのは危機管理の欠如だ。村民のために汗をかいてくれる副村長を早期に配置したい」

 ―争点は何か。

 「小学校の統廃合が第一だ。また、現村長は公約をいろいろ掲げたが、4年間で何が達成されたかというと、ほとんど出てこない。約束した以上は当然守っていくべきだ。自分が言ったことは行動に表して村民のために働きたい」

 ―訴えたい政策は何か。

 「民泊特区をつくり民泊産業住宅をやる。農業と民泊をしながら住んでもらい、150~250人の修学旅行生の受け入れが可能だ。また村営の有料老人福祉施設を整備し、お年寄りに安心して老後を過ごしてほしい」

 ―村内の3小学校の統廃合についてどう考えるか。

 「中学校の統合から間もない頃のアンケートで、村内の多くの人が統合して良かったという結果が出た。議長時代には子育て世代から、校区の撤廃や小学校の統合を求める意見が多く寄せられた」

 ―公約実現の財源は

 「大規模な事業を実施するには国とも協力すべきだ。村は基地負担や水の供給をしており、県も国も村への協力は当然だ。予算を勝ち取り、村民福祉の向上に役立てていきたい」

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 みなとがわ・みつのり 1952年2月生まれ。村高江出身。辺土名高卒。大阪府警退職後、村観光推進協議会理事長などを務め、2014年の村議選に初当選。18年から議長を1期務めた。

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