総理演説会場に爆発物… G7サミットを控えた広島にも衝撃 どうする?「沿道の警備」

和歌山市で岸田総理の演説直前に爆発物が投げ込まれた事件は、サミットを直前に控えた広島にも衝撃を与えています。広島都心でのサミット…。不特定多数の人が集まる「沿道での警備」が課題として見えてきます。

和歌山市で岸田総理の演説直前に爆発物が投げ込まれた事件…。事件のあと、警察庁は、全国の警察に対して要人警護を強化するよう指示し、応援演説などの現場に配置する警察官を増やしたり、不審者への職務質問を積極的に行ったりするよう求めました。所持品の検査や不審物の確認も徹底するよう指示したということです。

16日から長野県の軽井沢で開かれているG7外相会合の会場周辺では、警察による厳戒態勢が敷かれています。

1か月後に控えた広島サミットの警備でも、要人警護のさらなる強化が予想されます。

広島市の人
「怖い。場所が場所だから、あんなこと、やってほしくない」

観光客
「ふつうの人も巻き込まれるじゃないですか 安倍さんのああいうこともあって、あってはならないこと」

平和公園は、参加国の首脳が訪問する候補地として調整が進んでいて、期間中には原爆ドームを含む平和公園一帯が立ち入り禁止になることが決まっています。

栗栖千尋 記者
「首脳陣が平和公園に立ち寄った場合、このあたりで車を降りて原爆資料館に立ち寄ったり、まっすぐ歩いて慰霊碑に向かうといった導線が予想されます。その場合、一般の人との距離はある程度、保たれることが予想されます」

2016年、当時のオバマ大統領が平和公園を訪問した際も一帯は関係者以外、立ち入り禁止となりました。原爆資料館の閉館とともに、アメリカ側の爆発物探知犬が館内に入っていきました。

一方で、平和公園の外には、沿道などにおよそ5000人もの人が集まりました。当時、広島市中心部ではおよそ100か所で検問が行われ、警察官が市内中心部に向かう車や歩行者の荷物を確認していました。

来月の広島サミットでは、会場の元宇品地区や平和公園一帯を含む、広島市中心部、そして宮島などで交通規制の可能性があることが発表されています。広範囲での移動が予想される中で不特定多数の人が行き交う「沿道での警備」が課題の1つとして見えてきます。

栗栖千尋 記者
「吉島通りの広島高速3号線の近くです。近所の住民によりますと、ここには植え込みがあるタイプの中央分離帯がありましたが、今は工事をして、仮設タイプの中央分離帯になっています。また、付近にはマンションがありますが、住民らには警察から、車列が通るときにはベランダに出ず、窓を閉めて室内にいるようにという話があったということです」

仮に設置している中央分離帯を一時的に撤去すれば、車列が道路の中央を通ることが可能になり、歩道との距離を遠ざけることもできます。

一方で、各国の首脳が訪問する可能性がある宮島は、訪問が実現した場合、一般の観光客などの入島を「不可」としているものの、島内の道幅はせまく、首脳陣と関係者以外の人との距離感を保つことが難しい状況も予想されます。

サミットまで1か月。県警も、「都市部」での開催は警備面での大きな課題だと指摘していて、「関連施設や沿道での警備計画について、より精査していきたい」としています。

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