『ボヘミアン・ラプソディ』が4/21「金ロー」に登場、こがけんが見どころ解説

今から48年前の1975年4月17日、クイーンが初めて日本の地に降りたったことを記念して、4月17日は「クイーンの日」として日本のファンに知られている。

羽田空港には、メンバーの到着を見届けようと、約3,000人もの男女が集まり、ビートルズの来日以来といわれる大騒ぎとして、当時ニュースにもなった。クイーンは7都市8公演のライブツアーのため初来日し、東京では2度の日本武道館で約2万人の観客を熱狂させた。

クイーンの軌跡と、ヴォーカルのフレディ・マーキュリーの波乱に満ちた半生を描いた映画『ボヘミアン・ラプソディ』が、4月21日に日本テレビ系 金曜ロードショーで放送される。これを記念して、映画のみならず、音楽好きでも知られる、こがけんが明かす本作の見どころをいくつか紹介する。

――映画『ボヘミアン・ラプソディ』の魅力は?
この作品の魅力は何と言っても……本編で20曲以上ものクイーンの楽曲が流れることです。それも、BGMとしてだけでなく、レコーディング、ライブという様々な形式で流れるんですね。例えば、タイトルにもなっている名曲「ボヘミアン・ラプソディ」に関しては24トラックのマルチトラック・レコーダーを用いたレコーディング風景が描かれますが、その工程がとても自由な発想で面白いんですよ!

「ズンズンパ!」でお馴染み、誰もが知っているあの「ウィ・ウィル・ロック・ユー」に関しては、曲が生まれるきっかけが描かれています。この作品の世界的大ヒットのお陰で、世界中でクイーンの楽曲に再び注目が集まったことは記憶に新しいですね! あなたも作品を追う中で、まだ聴いたことのない素晴らしい楽曲との出会いがあることでしょう。

――注目のシーンは?
印象的なシーンも色々とあるんですが、特に注目のシーンは……フレディ・マーキュリーのロックスターとしての孤独と葛藤を描くシーンですね。本人の口で公言こそしませんでしたが、世間にはバイセクシャルと認識されていたフレディ。45歳という若さで人生を終えた彼自身の出自や恋愛、私生活が本作では真摯に描かれます。スーパースターだったフレディの人生は決して順風満帆なものではありませんでした。音楽的成功を納めた後、彼は孤独を深め、ドラッグや酒に溺れる生活を送り、身を滅ぼしてしまいます。そういったネガティブな面も描き、あえて一人の人間としてフレディを描いていることが本作の魅力ですね。彼が亡くなった後も、他のボーカリストを立てて今も活動を続けるクイーンですが、ラストシーンが、彼が亡くなる前の【ライブエイド】での演奏シーンであることに、彼への並々ならぬリスペクトを感じます。

そして! なんといってもラストの【ライブエイド】のシーンは圧巻の一言です。この演奏シーンは、実は会場で実際に演奏した曲順通りなんですね! そもそも、【ライブエイド】自体の映像が残っているんですが、ここでは、その映像を完全に再現しようとしているんですね。プレイヤーの動き一つ一つまでも近づけようとしているんです。これはもう監督をはじめスタッフの、狂気にも似た熱意のたまものですね! 特にフレディ役のラミ・マレックには、まるでフレディが乗り移ったような迫力があります。

「ウィ・アー・ザ・チャンピオン」(邦題「伝説のチャンピオン」)をはじめ名曲の数々が演奏されますが、曲の素晴らしさだけでなく、その歌詞がまさに当時のフレディの心情とリンクしているようで、とても胸が熱くなるシーンでもありますね。

この作品は、冒頭とラストが、どちらも【ライブエイド】のシーンで、繋がっています。これは“ブックエンド方式”という構成の手法で、両脇から本を挟み込む「本立て」をなぞってそう呼びますが、間で物語の本編が語られることによって、冒頭とラストのシーンの見え方が違ってくる良さがあるんですね!

◎放送情報
『ボヘミアン・ラプソディ』
2023年4月21日(金)21:00~23:24
監督:ブライアン・シンガー
出演:ラミ・マレック、ルーシー・ボイントン、グウィリム・リー、ベン・ハーディ、ジョセフ・マッゼロ、トム・ホランダー、マイク・マイヤーズほか
(C) 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation, Regency Entertainment (USA), Inc. and TSG Entertainment Finance LLC in the U.S. only. (C) 2018 Twentieth Century

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