自宅で火災…サイレンなし指示、統計へ計上なしの「対応不備」 羽生市が元消防長を懲戒、同日付で退職

羽生市役所=埼玉県羽生市東

 埼玉県羽生市は17日、同市の元消防長で消防本部予防課に再任用の男性(61)を枯草火災の対応で不備があったとして、地方公務員法に基づき減給10分の1、3カ月の懲戒処分にしたと発表した。男性は同日付で退職した。

 市によると、男性は消防長だった2019年4月6日、自宅で枯草火災が発生した際、消防本部に消防車の出動を要請したが、緊急走行は不要ということでサイレンを止めて走行するよう指示。枯草は35平方メートルほど焼いたところで消防車が到着する前に消防長が消し止めた。

 また、市では「本来であれば『その他火災』として消防統計に計上すべきところ、計上しなかった」としている。「その他火災」は、同年3月末までは焼失面積千平方メートル以上の場合か、千平方メートル未満でも火災による損害が出た場合などの取扱規定だったが、同年4月1日から取扱規定が変わった。

© 株式会社埼玉新聞社