長崎、佐世保市長選が告示 16年ぶりリーダー交代へ 23日投開票

 統一地方選後半戦のうち長崎、佐世保両市長選と長崎、佐世保、大村の3市議選が16日告示された。現職の退任で16年ぶりにリーダーが交代する両市長選には長崎4人、佐世保3人が立候補し、いずれも無所属新人同士の争いとなった。3市議選は計98議席に対し128人が出馬した。投開票は23日。
 長崎市長選は届け出順に前九州運輸局長の鈴木史朗氏(55)=自民、公明推薦=、同市の会社経営、原拓也氏(54)、社会福祉法人理事長で元市議の吉富博久氏(78)、前県議の赤木幸仁氏(38)が立候補した。
 佐世保市長選は届け出順に元大学助手の田中隆治氏(79)、前市議の橋之口裕太氏(39)=自民推薦=、前県議の宮島大典氏(59)が立候補した。
 長崎市長選は喫緊の課題である人口減少対策や、現市政の継承の是非などを巡り、論戦を展開する。
 国土交通省出身の鈴木氏は交通や観光行政に携わった経験や人的ネットワークを生かし「経済再生や少子化対策に力を入れ、人口減少を食い止める」と訴える。
 市PTA連合会長も務めた原氏は「民間の自由な発想で、市民に寄り添い、市民に身近な施策に取り組む」と強調。「すぐやる課」の創設などを掲げる。
 保育園を経営する吉富氏は「子ども・子育て支援が一丁目一番地」。「命と暮らしを見つめ、心豊かな長崎を創る」として保育料の無償化などを挙げる。
 赤木氏は「閉塞(へいそく)感漂う市の現状打破」を訴え、教育・育児など7分野からなる「長崎百景」と銘打った100の政策で「長崎に新しい風を起こす」と意気込む。
 佐世保市長選は人口減少対策や子育て支援施策、国県との連携の在り方などについて議論が交わされる。
 田中氏は前回に続き2度目の挑戦。新型コロナ後の経済活性化や、子どもから高齢者まで安心して暮らせる福祉の充実などを公約に掲げる。
 橋之口氏は39歳の若さと4人の子どもを持つ父親の経験をアピール。自民の議員らが支え、「政権与党」の立場で市政の課題に取り組めると訴える。
 宮島氏は大石賢吾知事とのパイプを強調し、「県と市が連携して政策を推進する」と主張。衆院議員時代の人脈や経験を生かせると支持を呼びかける。
 市長選出馬に伴い、赤木氏は県議を、橋之口氏は市議を自動失職した。
 3市議選は、長崎が定数40に対し57人、佐世保は定数33に対し43人、大村は定数25に対し28人がそれぞれ立候補した。


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