フードロス 減らす取り組み広がる

食料品の廃棄問題、いわゆる「フードロス」を減らす取り組みが都内でも広がっています。賞味期限が近い食べ物を自販機で安く販売したり、あまり流通されてこなかった食材を扱うなど、その手法も多様化しています。

小売大手のイオンが4月から販売を始めているのが、「シイラ」や「ホッケ」など、普段スーパーではあまり見ない魚を使った商品です。

これらの魚は美味しく食べるためには手間がかかるため、「低利用魚」と呼ばれ、せっかく獲れても有効利用されず、廃棄されているのが現状です。そこで、イオンでは手間をかけなくても食べられるよう、水分を加えてぷりぷり感を出す「保水」という技術を使い、食べやすく仕上げました。

今回発売されたのは、シイラのレモンペッパーやホッケのバジルソースなど5種類です。試食した人たちの評判は上々のようです。

担当者は、「漁業者から見れば獲れた魚をすべて無駄なく消費する。もう1つは消費者に魚の美味しさを知ってもらい、消費を盛り上げていきたい」と話しました。

一方、フードロス対策は台東区役所でも。窓口が並ぶ1階フロアに、このほど無人販売機「fuubo」が設置されました。扱うのはパッケージの変更や賞味期限が近いといった理由で流通できなくなった「フードロス商品」で、定価の3割以上安い値段で販売しています。この販売機は、全国で約50カ所に設置されていて、都内の自治体で導入するのは初めてということです。台東区は今後、区内の事業者の商品を重点的に販売していく予定です。

© TOKYO MX