4月こと座流星群2023年いつまで見える? 時間帯や目印は

4月こと座流星群の放射点

 冬が終わり、また流星のシーズンがやってきた。春の夜空はまず「4月こと座流星群」に注目したい。活動がピークとなる「極大」はいつか、どれくらいの流れ星を見ることができるのか、見える方角は…。国立天文台などの情報を基にまとめた。

4月こと座流星群とは

 4月こと座流星群は毎年4月下旬に極大を迎える流星群。母天体は1861年に出現し、太陽の回りを約400年の周期で公転するサッチャー彗星(C/1861 G1 Thatcher)。以前は「こと座κ(カッパ)流星群」「こと座流星群」と呼ばれていたが、2009年の国際天文学連合(IAU)で「4月こと座流星群」が正式名称となった。

出現期間と見やすい期間は

 出現期間は4月16日~25日。13日以降は下弦の月となり、月明かりが少なくなるため、観測条件は「最良」。

流れ星の数

 例年の流星数は、出現期間内の1時間当たりの出現数は0~1個ほどと控えめだが、突発的に流星数が増加することがある。国内では1945年に1時間あたり約90個の記録があり、海外では1922年、1946年、1982年などに流星数の増加が観測されている。

極大とおすすめの観測時間は

 4月23日午前10時に極大を迎えるが、日本では残念ながら日中で星は見えない。そのため、こと座にある放射点が空高く昇る4月22日午後11時ごろから翌朝までが見頃だ。特に23日早朝は「三日月が沈み、観察するには条件が良い」と国立天文台の担当者。流星の出現数は1時間当たりに多ければ10個ほど期待できるという。痕を伴う明るい高速流星が多いので、見応えがありそうだ。

流れ星を逃さないコツ

 夏の大三角形の「ベガ・アルタイル・デネブ」のうち、「ベガ」の一等星の西側にある放射点(流れ星が飛び出してくるように見える天球上の点)を目印にすると良さそう。ただし、流れ星は放射点を中心に放射状に出現する。放射点付近だけでなく、さまざまな方向に現れるので、できるだけ空の広い範囲を見渡すようにしよう。

いつごろまで

 ピークは短いので前後の夜で流星の数は大幅に減る。出現期間中でも、極大の前後以外は、1個でも見えたらラッキーという気持ちで空を見上げるのが良さそう。 

観察するときの注意点

 屋外の暗さに目が慣れるまで、最低でも15分ほどは観察を続けると良い。レジャーシートを敷いて地面に寝転んだり、背もたれが傾けられるイスに座ったりすると、楽な姿勢で観察しやすい。4月の朝晩はまだ冷え込むので、寒さ対策をしっかりして事故に遭わないように十分注意し、マナーを守って観察しよう。

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