コバライネン2連勝。勝田範彦と新井大輝が続き、全日本ラリー歴代王者がトップ3に並ぶ【第3戦唐津】

 4月14日(金)から16日(日)にかけて、佐賀県唐津市を中心にJRC全日本ラリー選手権第3戦『ツール・ド・九州2023 in 唐津』が行われ、初日のオープニングからターマック(舗装路)ラリーをリードしたシリーズ王者、ヘイキ・コバライネン/北川紗衣組(AICELLOラックDL速心FABIA)が総合優勝。シーズン2勝目をマークした。

 TOYOTA GAZOO Racingの新型車両『トヨタGRヤリス・ラリー2』が正式にJN1のグループに加わった今戦、その初日“レグ1”は朝から生憎の雨模様となった。

 前戦の第2戦新城で2023年シーズン初勝利を飾ったコバライネンは、全12本のSSで争われた今大会における初日のオープニングステージ、SS1“Sanpou 1”からスタートダッシュを決め、ランキングリーダーとして第3戦を迎え同ステージ2番手につけた鎌田卓麻/松本優一組(スバルWRX STIラリーチャレンジ)に13.1秒ものギャップを築く。

 元F1グランプリウイナーのフィンランド人はSS2、SS3で連続ステージベストをマークすると、午後のループに設定された3つのステージでも新井大輝/金岡基成組(Ahead プジョー208ラリー4)や福永修/齊田美早子組(アサヒ☆カナックOSAMU555ファビア)を下して初日の計6SSをスイープ。ラリーの折り返し段階で、総合2番手につけた2020年チャンピオン新井大輝を56.1秒先行した。総合3番手となった福永とは56.7秒差だ。

 レグ2は朝から晴天に恵まれたが、午前中のステージは前日の雨の影響でウエット。午後になると路面が乾きドライコンディションとなった。

 このように路面コンディションが変わるなか、首位を走るコバライネンは最終日も快走を見せ、午前中のSS7とSS8で連続ステージウインを飾る。全長0.41kmのショートコースで行われたSS9“Boat Race 1”では福永に“指定席”を奪われ4番手に留まったが、午後はふたたび連続ベストを刻み、最終SS12はステージは3番手タイムでフィニッシュ。12本中10ステージで最速タイムを記録する圧勝ぶりで今季2勝目を飾った。

■シュコダ福永、プジョー新井、トヨタ勝田が表彰台を争う

 一方、このレグ2では総合2番手争いが熱を帯びた。初日終了時に0.6秒差で並んだ新井大輝と福永のポジションはSS7で逆転。福永が2番手の座を奪うが、続くSS8ですぐさまプジョーを駆る新井が順位を取り返す。同時に彼らの後方には5番手でラリー2日目をスタートした勝田範彦/木村裕介組(トヨタGRヤリス・ラリー2)が迫ってきた。

 2番手争いから表彰台争いに転じたバトルの主役たちは、総合2番手から4番手まで5.2秒という僅差のまま午後のループに突入する。順位が変わらぬまま迎えたSS11、ここで3番手福永のファビアに問題が発生。駆動系トラブルでタイムを失い、残り2ステージを残してリタイアとなってしまう。

 また、同ステージでは新井がトップから約16秒おくれたのに対し、勝田は1.7秒差の2番手タイムを記録したため、一気に2番手へのポジションアップに成功する。シリーズ9冠王者は、鎌田と新井敏弘/保井隆宏組(スバルWRX ラリーチャレンジ)のワン・ツーという結果になった最終SS12をステージ5番手タイムで走破しトヨタGRヤリス・ラリー2のデビュー2戦目で2位表彰台を獲得。新井大輝が5.7秒差の総合3位という結果になっている。総合4位はスバルの鎌田、総合5位にはJN2クラスを制した奴田原文雄/東駿吾組(ADVAN カヤバ KTMS GRヤリス)が入った。

 JN1からJN6まで各クラスのウイナーは以下のとおりだ。

■2023年JRC全日本ラリー選手権第3戦唐津 結果

Class Driver&Co-Driver Maschine Time

総合優勝 ヘイキ・コバライネン/北川紗衣 AICELLOラックDL速心FABIA 1h06’45.1

総合2位 勝田範彦/木村裕介 トヨタGRヤリス・ラリー2 +1’55.5

総合3位 新井大輝/金岡基成 Ahead プジョー208ラリー4 +2’01.2

JN2クラス 奴田原文雄/東駿吾 ADVAN カヤバ KTMS GRヤリス 1h08’56.8

JN3クラス 山本悠太/立久井和子 SammyK-oneルブロスYHGR86 1h12’58.7

JN4クラス 西川真太郎/本橋貴司 スマッシュDLモンスターitzzスイフト 1h13’18.6

JN5クラス 大倉聡/豊田耕司 AISIN GR Yaris CVT 1h13’56.7

JN6クラス 天野智之/井上裕紀子 豊田自動織機・DLアクアGR SPORT 1h15’31.1

 全日本ラリー選手権の次戦第4戦『久万高原ラリー』は、5月5日から7日にかけて愛媛県上浮穴郡久万高原町で開催される。

奴田原文雄/東駿吾組(ADVAN カヤバ KTMS GRヤリス) 2023年全日本ラリー第3戦唐津
山本悠太/立久井和子組(SammyK-oneルブロスYHGR86) 2023年全日本ラリー第3戦唐津
西川真太郎/本橋貴司組(スマッシュDLモンスターitzzスイフト) 2023年全日本ラリー第3戦唐津
大倉聡/豊田耕司組(AISIN GR Yaris CVT) 2023年全日本ラリー第3戦唐津
天野智之/井上裕紀子組(豊田自動織機・DLアクアGR SPORT) 2023年全日本ラリー第3戦唐津
総合2位となった勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス・ラリー2)

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