「ヨーシ!」「ショーヘイ!」 侍ジャパンの直接対決に日米ファン大声援…吉田正尚vs大谷翔平の一部始終

フェンウェイ・パークに観戦に訪れたボストン在住の日本人大学生=4月17日、ボストン

 4月17日(日本時間18日)にボストンのフェンウェイ・パークで実現した、米大リーグ・レッドソックスの吉田正尚選手(福井県福井市出身)とエンゼルスの大谷翔平投手による直接対決。日本代表「侍ジャパン」でともにワールド・ベースボール・クラシック(WBC)優勝に輝いた2人の対戦に、日米の野球ファンは熱い視線を送った。

 午後0時6分。気温9度。冷たい雨が降りしきる中、約1時間遅れで試合は始まった。悪天候にもかかわらず、約3万7千の観客席はほぼ埋まるほど。吉田、大谷両選手のユニホームや、日の丸を付けた服を着たファンの姿もあった。

 この日一番の歓声が沸いたのは、レッドソックスが4点を追い掛ける一回2死だった。4番打者として打席に向かう背番号「7」を「ヨーシ!ヨーシ!」と本拠地の大応援団の掛け声が後押しした。

 「翔平!」「大谷!」。投打の「二刀流」でメジャーを席巻するマウンド上の背番号「17」への声援も負けていない。18.44メートルの距離を隔て対峙する2人。速球を吉田選手が空振りして三振に終わると、観客のため息と歓声が交錯した。

 雨天による1時間25分の中断の影響で、注目の対決は1打席のみ。それでも地元の野球ファンは惜しみない賛辞を贈った。

 カップルでレッドソックスファンのビリー・ハートさん(23)とオリビア・アクセベードゥさん(22)は「世界最高峰の舞台での日本人対決はすごくクールだった」と振り返った。大谷選手について「リーグ最高の投手であり打者。彼が球場にいるだけで観客は楽しいし興奮する」と称賛し、吉田選手にも「大谷に続いてメジャーでMVP(最優秀選手)をぜひ取ってほしい」と願った。

 スタンドには日本人の姿も目立った。ボストンに留学中の大学生(19)は友人4人と一緒に侍対決を一目見ようと、初めて野球観戦に訪れた。「現地の人が吉田選手と大谷投手の対決に大きな声援を送っていて、私も同じ日本人としてうれしくなった」と声を弾ませた。レッドソックスのキャップなどを身につけて吉田選手を応援。「侍ジャパンの4番で活躍したように、次こそ大谷投手からホームランを打ってほしい」と期待していた。

© 株式会社福井新聞社