本実証実験では、大規模災害が発生し、陸路が利用できない場合や、遠隔医療と組み合わせた地域医療への貢献などを見据え、空路での医薬品配送の実用化に向けた課題の抽出や運用ルールについて検証を行ったという。
厚生労働省「ドローンによる医薬品配送に関するガイドラインについて」改正
背景
和歌山市南部の和医大周辺は、南海トラフ大地震が発生した際に、2~5m規模の津波が到来すると予測されており、このような大規模な震災の発生により陸路が利用できない場合でも、医薬品を必要とする患者への供給が滞らない供給網の構築が求められている。
このような中、3者はドローンを活用した医薬品配送の可能性を検討してきたという。
国土交通省より「レベル4」飛行の段階的な飛行実現を可能とするロードマップが示されたことを受け、本実証実験では、ドローンによる医薬品配送の可用性を検証するとともに、運用課題の抽出を行った。
本実証実験の概要
本実証実験では、医薬品卸業者であるケーエスケーが、和医大から医薬品の発注を受けたことを想定し、和歌川河川公園テニスコートから病院内施設屋上まで、ドローンにより偽薬を配送した。
配送ルート
各者の役割
本実証実験における検証結果
今後の展開
本実証実験の実施により、配送時間や品質管理面では十分に実運用が可能であることが確認できたという。一方、天気などの外的要因により飛行できない場合のバックアッププランの策定など、実運用時の課題を明確にした。
この結果を受け、今後も3者が連携し、レベル4での飛行検証や、和歌山県内に複数ある、へき地診療所およびその周辺に住まわれている患者様への医薬品提供を想定した実証実験を行う予定とのこと。