「ヒナが楽しみ」 しあわせ運ぶ コウノトリが産卵し本格抱卵 広島県で初確認

国の特別天然記念物コウノトリのペアが作った巣が、広島県内では初めて世羅町で確認されています。ペアは現在、卵を抱いているとみられていて、ヒナの誕生に期待が高まっています。

近藤志保 記者
「世羅町の住宅地にやってきました。電柱の上にコウノトリが巣を作っています」

世羅町教育委員会によりますと、コウノトリは2月末に巣を作り、4月2日に産卵を始めたとみられています。卵を直接は確認できていませんが、本格的な抱卵に入ると、ペアのどちらかが巣にいる状態が続くことから、観察データをもとに、卵を抱いていると判断しました。県内で産卵が確認されるのは初めてです。

研究や繁殖に取り組んでいる兵庫県豊岡市の「コウノトリの郷公園」によりますと、国内にいるほぼすべてのコウノトリには、いつ、どこで生まれて親が誰かがわかる足環がつけられていて、世羅町で巣を作ったペアは豊岡市生まれだと確認されています。

通常であればコウノトリは産卵を始めると1日おきに4個程度の卵を産むそうです。産卵から1か月程度でふ化し、順調にいけば来月上旬にもヒナが誕生します。その後、ヒナはおよそ70日間、巣で過ごすということで、町をあげて環境を整えているということです。

世羅町民
「やっぱりうれしかったね。わたしの地元への去年、3羽くらい来ていた。(ことしは)巣をつくっているからびっくりした。(ヒナが)見えるようになったら楽しみ。何羽いるか」

世羅町教育委員会などは、今後、育ったヒナに足環をつけるなど、コウノトリの保護に協力していくということです。

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