ラッセル、もしフェルスタッペンがキャリア初期にメルセデスF1にいたら「現在のポジションにはいなかったかも」と予想

 メルセデスのジョージ・ラッセルは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がもしメルセデスに入って「最盛期」のルイス・ハミルトンとすぐに対決していたら、彼の初期のキャリアは損なわれたかもしれないと考えている。

 フェルスタッペンはレッドブルに起用され、2015年に17歳でトロロッソからF1に昇格した。フェルスタッペンは1年後にレッドブル・レーシングに移り、移籍後の最初のレースで自身初のグランプリ優勝を飾った。宝石の原石のようであったフェルスタッペンは、しばしば自身の性急な行動に足を取られてはいたが、ずばぬけて速い確固たるレーサーに成長し、最終的に2度の世界チャンピオンとなった。

2022年F1第18戦日本GP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が優勝でドライバーズタイトルを獲得

 しかしラッセルは、もしフェルスタッペンがメルセデスに起用されてハミルトンのチームメイトになっていたら、彼の初期のF1キャリアはまったく違ったものになっただろうと考えている。

「もしマックスがメルセデスのようなチームに行き、そこで最盛期を迎えているルイス・ハミルトンと対決しなければならなかったら、彼のキャリアは損なわれたかもしれない」とラッセルはライフスタイル雑誌『SquareMile』のインタビューで語った。

「だからふたつの側面から見る必要がある。マックスは18カ月の経験を持っていた時よりも、3年や4年の経験を積んだ後のほうがはるかに優れたドライバーだった」

「最高の状態にあり、慣れ親しんだマシンで圧倒的優位にある相手と戦わなければならなかったら、マックスは現在のポジションにいなかったかもしれない」

 ラッセル自身はF1キャリアの初期をウイリアムズで過ごしたが、チームから与えられたマシンが非力だったために、大抵はフィールドの最後尾にいることが多かった。しかし今にしてみると、ラッセルはF1の後方集団にいた厳しい3年間は、貴重な学びと準備の期間だったと言えるという。

「今なら言えるだろうが、僕はキャリアを3年間無駄にした。グリッド最後尾のマシンを走らせていたし、優勝を争うことはできなかったからだ。でもウイリアムズでの年月には肯定的な側面を見ることもできる」

「今、あの年月を振り返り、『もしかしたら最初から深みに投げ込まれたライバルたちよりも、僕はグリッドの後方でより多くのことを学んだのかもしれない』と思う。キャリアの初期にいきなりライオンの群れの前に投げ込まれて、キャリアに傷がついたドライバーもいる」

「アドバイスをくれた人たちと、最終的にこのポジションを与えてくれた人たちに僕は感謝しなければならない」

「ウイリアムズでのあの3年間はもう少し上の方で戦うこともできたかもしれないが、メルセデスのマシンをドライブしているのでもないかぎり、僕が世界タイトルを争うことはなかっただろう。だから何も変わりはないだろう?」

「最終的には僕はタイトルを獲りたい。フィールドの最後尾で戦おうが7位を争おうが僕には何の違いもない」

「全体として僕は今の自分の立ち位置に満足している」

2021年F1第14戦イタリアGP ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)

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