森田さ~ん、シェブロンのお天気は? 「予選Rは雨、週末はカラッと晴れ」/森田正光のメジャー天気予報

予選ラウンドはレインウェア必須か?(提供/ウェザーマップ)

米女子ツアーのメジャー初戦「シェブロン選手権」が20日(木)に開幕する。1972年からカリフォルニア州のミッションヒルズCCだった会場は今年、テキサスのヒューストン近郊、ザ・クラブatカールストン・ウッズに移った。さらに開催時期も例年より3週遅い。昨年までは好天の印象も強かった大会の天候はどう変化するのか? TBSのニュースでもおなじみ、気象予報士の森田正光さんに4日間の天気を解説してもらった。

ヒューストンはまさに竜巻銀座

まずゴルフ場のある場所の気候から説明させてください。ザ・クラブatカールストン・ウッズは、テキサス州ヒューストンの中心部から車で北へ40分ほど行ったところにあります。西側にロッキー山脈がそびえ、南側にはメキシコ湾があり、メキシコ湾からの湿った暖かい風が入りやすい地形になります。

気候は「マスターズ」が行われたジョージア州オーガスタと同じ「湿潤温暖気候」で、湿気も多く雨も降りますが、基本的には暖かい。緯度は日本の屋久島と同じぐらい、比較的過ごしやすい気候でしょう。この時期はだいたい20℃前後の日が多く、気温が上がっても27、28℃。過ごしやすいか、もしくはちょっと汗ばむ陽気になることが予想されます。

日本の屋久島と緯度が同じ

テキサスといえば、ひとつ気を付けてほしいのが竜巻の存在。ヒューストンはまさに“竜巻街道”にあたります。4月はシーズンの始まりで、大会の時期が3週ズレたことで、期間中の竜巻の発生確率も上がっているといえます。

“竜巻街道”はロッキー山脈に平行する形で北米を縦断し、テキサス北部のオクラホマ州やカンザス州なども竜巻が発生しやすい。メキシコ湾からの湿った風とロッキー山脈を越えてくる寒気がぶつかって、山脈の東側の大気を不安定にさせることで生まれます。中でも南に位置するヒューストンは、まさに「竜巻銀座」と呼べるぐらい発生数が多いです。

予選ラウンドは雨模様、週末に天気は回復

では、そうした気候の特徴を踏まえ、今年のシェブロン選手権の4日間の天気予報をお伝えします。

予選ラウンドはレインウェア必須か?(提供/ウェザーマップ)

前半は南からの湿った空気が入り続け、低気圧の影響もあって曇りや雨の予報。ぐずついた空模様になるでしょう。初日の木曜日は午前10時ごろから南風が入り込むので、雨がぱらつきやすく、スタート時間によってはレインウェアを着る必要もありそうです。

2日目の金曜日も同じ傾向で、南からの風が入り込みやすく不安定な天気に。西側に雨雲があり、また付近に低気圧が発生するため、雨がしっかり降って雷が発生する可能性も捨てきれません。昨年のデータを見ると4月に同ゴルフ場でまとまった雨が降ったのは1回のみでしたが、そのときは気温が急激に下がっているのでおそらく雷雨だったと考えられます。今週も雷雨や竜巻の発生も含め、天気の急変には注意が必要ですね。

週末は雨も上がりビッグチャージに期待(撮影/服部謙二郎)

幸いにも低気圧や寒冷前線は金曜日までに通過するため、週末は北から乾いた空気が入って天気も回復していきます。土曜日も日曜日も快晴、気持ちのいい青空が広がると思われます。気温も最高気温が25℃、カラッとした北風なので快適にプレーできるのではないでしょうか。

予選ラウンドは雨に耐え、スコアも耐えて、週末に青空の元でビッグチャージ。そんな展開を期待したいですね。

協力/ウェザーマップ

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン