閉店から10年… 旧呉そごう 解体開始 動き出したJR呉駅周辺の再開発

長年、止まっていたJR呉駅(広島・呉市)周辺の再開発がようやく動き始めます。駅前のそごう呉店の閉店から10年…。解体工事が始まりました。

解体工事が始まったのは、呉駅北口の旧そごう跡地です。20日は、建物の壁に穴を開け、内装解体の機材を通す通路を作りました。

呉市 新原芳明 市長
「呉市民にはほっとしてもらえる、期待してもらえる非常に大きな場面だと思います」

建物は地上7階建て、店舗の敷地面積2万3000平方メートル。およそ1年をかけて解体します。

そごう呉店は、バブル絶頂期の1990年にオープンしました。「呉で流行のものが買える」を売りに3年目には年商211億円を記録します。しかし、バブル崩壊や大型スーパーの出店で2011年には売り上げがピーク時の4割にまで減少しました。

2013年1月、そごう呉店は、23年間の歴史に幕を閉じました。

当時の高校生
「悲しいです。呉のシンボルですよ」

今の新原市長になり、旧そごう跡地だけでなく、駅周辺も含めた総合開発の方針を示し、2020年、呉市は4億円で土地・建物を購入しました。

去年11月、再開発の事業者が決まり、呉市は土地と建物を売却、今月から譲渡契約が発効しました。

そして、閉店から10年…。放置されたままとなっていた呉駅前の一等地の再開発が、ようやく動き始めました。

呉市民たち
「もったいなかったです。なんとか早くしてほしいという気持ちだった」
「もっと人が集まる場所になったらいい」

呉市は、再開発でにぎわいと安らぎを創出し、防災の拠点にしたいと期待しています。

呉市 新原芳明 市長
「呉の街はいろいろと課題がありましたけど、明るい方向に向かって行く。笑顔の呉市なる。そういう1つの象徴になる、きょうは工事だと思います」

跡地には、23階建てのマンションと商業施設などが入る複合ビルが完成する見込みです。

国の直轄事業、およそ80億円の呉駅の交通ターミナル整備と合わせ、呉駅周辺の再開発事業が本格的に動き出します。

製鉄所閉鎖などで人口減が続く呉市―。玄関口のにぎわい復活に期待が寄せられます。

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