袴田さん再審「検察が自覚すれば早くできる」弁護団が東京高検と最高検に申し入れ

いわゆる袴田事件で死刑が確定している袴田巖さんの再審=裁判のやり直しをめぐり、弁護団が4月20日、速やかに再審公判を始めるよう東京高検と最高検に申し入れました。

20日、検察庁を訪れたのは袴田巖さんの弁護団です。袴田巖さんは今から57年前、旧清水市で一家4人を殺害したとして、死刑が確定していますが、3月に東京高裁が再審開始を決定しました。

この問題をめぐり弁護団は、東京高等検察庁と最高検察庁に対し、袴田さんの再審について検察側が有罪の立証を放棄することや1日も早い再審の開始に向け、協力するよう求める申し入れ書を提出しました。

4月10日には再審に向けた裁判所、静岡地検、弁護団の三者協議が初めて開かれていて、検察側が袴田さんの有罪立証を改めて行うかの方針を「3か月後に示す」考えを伝えていますが、弁護団は時間がかかり過ぎと痛烈に批判しています。

<袴田事件弁護団 角替清美弁護士>

「今後(再審)については地検が対応すると形式的なことを言っていた」

<袴田事件弁護団 笹森学弁護士>

「我々としては、(検察側が)早くしなければならないと自覚すれば、早くできるのではないかと思っている」

袴田さんは現在87歳。弁護団は再審の場で、一刻も早い無罪の言い渡しを求めています。袴田さんの再審に向けた次の三者協議は、5月29日に予定されています。

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