サシバの里自然学校、遠藤さん 人材育成で優秀賞 子ども向け体験など評価

ジャパンアウトドアリーダーズアワードで優秀賞を獲得した遠藤さん

 栃木県市貝町市塙の「サシバの里自然学校」校長の遠藤隼(えんどうじゅん)さん(39)は、自然体験活動での人材育成に取り組む優れた指導者に贈られる「ジャパンアウトドアリーダーズアワード2023」で優秀賞を受賞した。遠藤さんは里山での子ども向け体験講座や県内の自然体験活動団体とのネットワーク構築などに尽力しており、「個人とチームそれぞれの活動を評価していただきうれしい。栃木を起点に活動を広げていきたい」と話した。

 「ジャパンアウトドアリーダーズアワード」は山や川や海、田畑や森林など多様なフィールドでの体験を通じた人づくりを実践する人をたたえるもので、「未来につながる人づくり」や「独自性」といった四つの基準で評価される。今回は全国各地から72人が応募し、最終審査に残ったのは遠藤さんはじめ9人だった。

 活動拠点であるサシバの里自然学校の周辺には、山あいの中の細長い田んぼ・谷津田が広がる。この里山の環境を生かして生きもの観察や田植え体験といった子ども向けの自然体験に取り組んでいる。また地域の幼稚園・保育園と連携して自然体験の機会を定期的に開催し、宇都宮大大学院の修士論文では自然体験による子どもたちの変化について研究成果をまとめた。

 さらに親子向けの体験会に共同で開催したりするなど、県内の自然体験活動団体との関係構築にも着手。すべての子どもたちに自然活動の機会を提供するため、昨年春に「とちぎ子ども自然体験活動ネットワーク」を構築した。

 遠藤さんは「栃木には豊かな里山がたくさんある。今後は活動のフィールドを広げて、それぞれの地域で子どものための活動を展開したい」と抱負を語った。

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