普天間基地の返還「時期示すのは困難」 宜野湾市長の要請に沖縄防衛局長 「辺野古」推進は強調

 【宜野湾】宜野湾市の松川正則市長は20日、嘉手納町の沖縄防衛局に小野功雄局長を訪ね、米軍普天間飛行場の一日も早い閉鎖・返還や跡地利用推進などを要請した。面会は冒頭のみ公開された。松川市長は飛行場返還期日を早期に確定させることや、跡地利用の際に国が主導して積極的な財政支援などに取り組むことの他、有機フッ素化合物(PFAS)に関する基地内への立ち入り調査、騒音規制措置の順守を強く申し入れることを求めた。

 要請に対して小野局長は「現時点で返還時期を示すことは困難だが、辺野古移設に向けた事業を着実に進めたい」と述べた。立ち入り調査については「住民の不安を受け止め、政府全体で取り組む。米軍には立ち入り調査の要請をしっかりと申し伝えたい」と答えた。

 面会後、松川市長は記者団に「返還時期が明確に示せなくとも市としてはいつ返還されてもいいよう跡地の開発計画を進め、政府には後押しをお願いしていく」と述べた。

 松川市長は同日、那覇市久米の外務省沖縄事務所に宮川学特命全権大使を訪ね、騒音被害により「悲鳴のような苦情」が市に寄せられているとして、子どもの発育に対する懸念などを伝えた。松川市長は来週にも上京し、首相や官房長官、各省庁を訪ね、要請する方針。

 (名嘉一心)

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