暴力団組員、見張り役に監視させて、受け子の会社員が女性狙う…全員逮捕 女性は友人と話すまで気付かず

川越署=川越市大字大仙波

 高齢女性から現金400万円をだまし取ったとして、埼玉県警捜査2課と川越署は20日までに、詐欺の疑いで、狭山市水野、指定暴力団住吉会傘下組織組員で職業不詳の男(33)といずれも川越市居住の会社員の男(19)、無職の男(20)=当時19歳=を逮捕した。

 逮捕容疑は、氏名不詳者と共謀の上、昨年8月1日午後7時ごろから数回、千葉県柏市の無職女性=当時(81)=方に女性の友人などを名乗り「契約書やキャッシュカード等在中の荷物を遺失し、取引先との契約で至急、現金が必要」「あと、200万円用意してほしい」などと電話。同日午後9時ごろと翌2日午前11時ごろの2回にわたり、女性方付近の路上で現金計400万円を詐取した疑い。女性が友人に連絡を取り、だまされたことに気付いた。

 県警捜査2課によると、19歳の男が友人の上司の弟を名乗り、女性から現金を奪う受け子で、20歳の男が同人を監視する見張り役、組員が2人への指示役だったという。女性が2度目に現金を渡した際に借用書を受け取っていて、その借用書や現場周辺の防犯カメラ映像などから受け子の男が浮上。証拠品の精査から見張り役の男が判明、押収したスマートフォンなどから組員を特定した。

 県警は20日午後、暴力団事務所を家宅捜索した。奪った400万円が暴力団の資金源になったとみて調べるとともに、3人に共犯者がいる可能性もあり全容解明を進める。

 特殊詐欺総合対策本部は、「かばんをなくしてお金が必要、還付金がある、コンビニで電子マネーを買ってほしいなどという電話があったら詐欺です」と呼びかけている。

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