遺児や親に障害ある子の進学支えて 盛岡23日まであしなが募金

学びを支える支援に感謝し、充実した学生生活を送る小野寺萌生さん

 病気や災害などで親を亡くしたり、親に障害がある家庭の子どもを支える第105回あしなが学生募金(事務局主催)は22、23の両日、盛岡市内で行われる。新型コロナウイルス禍や物価高で学費、受験費用の負担は大きく、継続した支援は不可欠。奨学生は「進学や夢を諦めないで済む社会にしたい」と協力を呼びかける。

 県立大総合政策学部3年の小野寺萌生(めい)さん(20)=一関市出身=は、高校2年の時に父が病気のため障害者になった。両親は心配させまいと生活の苦労を見せなかったが、家計は厳しいと感じ取り進学の夢を簡単に口にできなかった。

 そんな中、奨学金と担任教員らのサポートがあり大学入学を実現した。キャンパスに弁当を持参するなど節約を心がけ、高校時代の体験学習で興味を持ったコミュニティーづくりや地域経済について学んでいる。

 本県の募金活動準備を中心となって進め、全国の奨学生との交流を通して遺児の実態にも理解を深めた。昨年も街頭に立ち「寄付してくれる方のおかげで学べていると実感した。大学という居場所と、全国の仲間とのつながりができた」と感謝する。

 募金活動は2日間とも正午~午後6時、盛岡駅の西口と駅前滝の広場で実施する。

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