急減、宿場のおひなさま 花巻・大迫、人形供養、売却で流出

江戸時代などのひな人形が並ぶ「おおはさま宿場の雛まつり」。参加する施設が減っている=花巻市大迫町・大迫交流活性化センター

 江戸-大正時代の宿場町の歴史を伝える花巻市大迫町のひな人形が、急速に減少している。今年3年ぶりに復活した「おおはさま宿場の雛(ひな)まつり」参加施設・店舗は近年のピークだった2017年から3割近く減った。所有者が不在となって人形供養されたり、中古品買い取りで流出するケースが目立つ。保存活動の担い手も高齢化に悩んでおり、地域の文化と観光資源の行く末が懸念される。

 旧暦の桃の節句を22日に控えた同市大迫町の中心部。江戸時代の享保びなや古今びななどを所有する店や家が軒を連ねる。

 2、3月に開かれ、約7500人が訪れたまつりで人形が展示・公開されたのは、商店など24施設。17年より9施設減った。かつて参加していた店舗が閉店したり、住人不在で空き家となったことが主な要因だ。

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