5月20日に幕を開けるサッカーの県高校総体。今大会は実力が拮抗(きっこう)し、熱い戦いが繰り広げられそうだ。その中心となるチームはどこか。優勝候補となりそうな高校をピックアップして分析し、キャプテンに意気込みを聞いた。
第1回は10年ぶりに「高円宮杯JFA U-18プリンスリーグ九州(2部)」に参戦している大分だ。
昨年度の主な成績
高円宮杯JFA U-18 OFAリーグ(1部) 優勝
県高校新人大会 ベスト4
全国高校選手権県予選 優勝
県高校総体 ベスト4
県内の高校で唯一、プリンスリーグ九州に参加している大分だが、Jクラブの下部組織や強豪校との対戦に苦戦している。現在、2試合終えて2敗。キャプテンの森崎翔愛(3年)は「力の差を感じている。技術面、フィジカル、判断のスピード、全てが足りない」と述べたが、その表情は決して暗くない。「個人の力で劣るなら組織で戦えるようになればいい」とチームの意思統一を図り、これまでのチームと異なるアプローチで勝利を目指す。
例年であれば、上の学年中心のチームの頃から主力として試合に出ていた選手が数人残るが、今年のチームにはいない。小野正和監督は「これまでのチームと比べると個のレベルは落ちるが、その分、チームとして戦おうという意識が強い。しっかり自陣でブロックを作って、ショートカウンターで得点できるチームになればいい」と、新しいスタイルでチームを構築する。
部員は78人と多く、小野監督は「誰にでもチャンスはある」と、メンバーを固定せず、コンディションのいい選手を優先して起用する。チーム内の競争を促し、それが選手層の強化につながっている。これまでのように、確かな技術とパスワークで相手を圧倒するストロングスタイルではないが、2年ぶり14度目の優勝を狙える位置にはいる。今年のキーワードは「一致団結」となる。
キャプテンが語る県総体のプラン
MF 森崎翔愛(3年)
2006年2月17日生まれ、172cm、66kg、前所属チームは大分中学校
Q:県高校新人大会からの積み上げは?
全国選手権後に新チームとなったので、他校に比べるとまとまりがなかった。新人大会以降、プリンスリーグ九州に参加し、県外の高校などレベルの高いチームと試合をして、自分たちの力のなさを感じているが、チームとして戦う意識はこれまでに比べると高くなっている。
Q:県高校総体で勝ち上がるために必要なことは?
まずは失点しないこと。得点力はこれまでの先輩たちに比べるとないので、ショートカウンターで少ないチャンスを決め切る力が必要だ。試合ごとにチームがまとまっていけば勝てると思っている。
Q:どんなプレーでチームの勝利に貢献したい?
自分自身の課題は守備の部分だが、攻撃ではドリブルやパスでゲームメークし、ショートカウンターで起点となる仕事をしたい。奇麗なパスワークで崩すことが理想だが、泥臭くても勝てばいい。
(七蔵司)