亀岡市で2012年、集団登校中の列に無免許運転の車が突っ込み3人が死亡、7人が重軽傷を負った事故は23日で11年を迎えた。発生時刻に合わせ同市篠町の現場の府道で法要が営まれ、遺族らは遺影に静かに手を合わせて大切な家族を悼んだ。
祭壇には、事故で亡くなった小谷真緒さん=当時(7)=と、松村幸姫さん=同(26)=の遺影が置かれた。参列者が花を手向け焼香した。
小谷さんは生きていれば成人の18歳で、高校を卒業して新生活をスタートさせるはずだった。父真樹さん(40)は「私の頭の中に残っているのは、事故当日の真緒の苦しんでいた顔。そうじゃなくて、大人になった笑顔の真緒に会いたかった」と涙を浮かべた。
おなかの赤ちゃんと共に命を奪われた松村さんの父中江美則さん(59)は「今日の幸姫の写真は表情が和らいでいて、優しい目で僕らのことを見てくれているように感じた」と穏やかに語った。一方、京都家裁による事故記録の廃棄について「知った時は絶望した」と振り返り「また(遺族の思いが)置き去りにされた」と怒りをあらわにした。
事故は午前7時55分ごろ、亀岡市立安詳小の通学路で、無免許運転で居眠りした少年=当時(18)=が集団登校中の児童ら10人をはねた。同小の小谷さんと横山奈緒さん=同(8)、付き添っていた松村さんが亡くなった。