初の日欧共催で日本勢の成績は? 石川遼「みんな目が輝いている」

最終日は「68」をマーク。石川遼は初の日欧共催大会を喜んだ(撮影/奥田泰也)

◇国内&欧州男子ツアー共催◇ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント! 最終日(23日)◇PGM石岡GC(茨城)◇7039yd(パー70)

5アンダーの31位で終えた石川遼は、日本と欧州ツアー(DPワールドツアー)の初めての共催大会に感謝した。「大変意義のあること。世界をまたにかけたツアーが日本を回ってくれるのはありがたい」。各国ツアーが連携を強めている昨今、国内では賞金ランキング加算のないPGAツアーとの「ZOZOチャンピオンシップ」を除けば、海外との明確な接点を持つのは本大会しかない。

昨シーズンはツアー競技が2回開催されたPGM石岡GCは今週、欧州ツアー基準の選手ホスピタリティが施され練習環境から充実した。コース全体のセッティングも選手の挑戦欲を呼び覚まし、中でもグリーンの仕上がりとピンポジションは、地元・茨城出身の星野陸也が「見たことがない」と語るほどの難度の高さ。優勝スコアも昨年4月の本大会(日本ツアー単独開催)が「260」ストローク、10月「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」は「258」。今大会は「265」でプレーオフになった。

開幕前は日本勢が地の利を生かせそうで、実際にはルーカス・ハーバート(オーストラリア)を筆頭に海外選手が最後までタイトルを争った。欧州ツアーのメンバーを中心に144人が出場した今週、日本勢は欧州を主戦場にしている川村昌弘を入れて43人、フィールドの29.8%の選手がビッグタイトルに挑戦。予選通過したのは72人のうち、ほぼ同等の29.1%の21人が日本人だったが、トップ10入りは4位の岩田寛だけだった。

石川は「グリーンの硬さが日に日に硬くなっていくのは本当にアメリカのツアーのよう」と4日間を振り返った。自身を含め、優勝争いの最終局面に絡む国内ツアー勢が乏しかったリーダーボード。考えられる要因について「やっぱりセッティング(の違い)はあると思います」と口にした。

「ピンポジションにグリーンの難しさ、硬さ。経験もあって、パッと見ただけ『ここはこうしなきゃいけない』というのが分かって、それを実行できる日本の選手じゃないとなかなか上に行けない。(上位に)日本では馴染みのない選手もたくさんいると思うが、DPワールドツアーの層の厚さ、こういうセッティングに慣れているのはひとつあるのかなと」。12位で終えた金谷拓実、中島啓太といった選手は若くして海外挑戦してきたメンバーでもある。

コース内で今週、仲間と囁き合った声を石川は忘れていない。「選手も口々に『こんなにコースって変わるんですね』って、びっくりしていた。でも、みんな目が輝いている。『やっぱり良いよね』って。『めちゃくちゃ難しいけど、良いですね』みたいな感じの声が非常に多い」。成長を促してくれそうなハードルを、多くのプロが求めている。(茨城県小美玉市/桂川洋一)

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