「ヘビが見えたけど」 リリア・ヴが新“ポピーズポンド”に華麗なダイブ

濁った池に一直線

◇米国女子メジャー◇シェブロン選手権 最終日(23日)◇ザ・クラブatカールストン・ウッズ ジャック・ニクラスシグネチャーC (テキサス州)◇6884yd(パー72)

今季メジャー初戦は、25歳のリリア・ヴがプレーオフを制してメジャー初優勝を飾った。昨年までミッションヒルズCC(カリフォルニア州)で行われていたメジャー初戦は、優勝者が18番グリーン脇の池、通称“ポピーズポンド”に飛び込むのが恒例行事になっていた。

今年からザ・クラブatカールストン・ウッズに舞台を変えたが、飛び込む用の池は一応用意されていた。「強制ではないが、希望者が飛び込めるように」とLPGA。18番左サイドに広がるのは、自然そのままの大きな池。生き物が侵入しないよう“飛び込みエリア”にはネットを張ったが、池を覗いてみると底が見えないくらい濁っている。開幕前は「飛び込むか?」と聞かれて口ごもる選手も少なくなかった。

キャディは見事にポーズを決めた

リリアは「ここで勝ったら、もちろん飛び込む」と決めていたが、いざ優勝すると「きのうか一昨日、17番の池でヘビを見たのが頭をよぎった」と一瞬ひるんだ。

それでもギャラリーからの「ダイブ!」コールと、ビッグタイトルの歓喜で足は池に向かって進んでいた。「アドレナリンが出て、飛び込んだ」とキャディらと一緒に華麗なダイブを披露した。

池の中でも笑顔のままで

優勝争いは18番ホールで“ドラマ”が続出した。リリアは最終組5組前に10アンダーでホールアウト。すると直後の組でアタヤ・ティティクル(タイ)が池ポチャ、キム・アリム(韓国)がアイアンショットをシャンクして脱落した。プレーオフはエンジェル・インが第2打を池ポチャし、最後はリリアがバーディで締めくくった。

大興奮のフィナーレ。日が沈んだコースは気温12度と凍える寒さだったが、きちんと用意されていた白いバスローブでびしょ濡れの体を包んだ勝者は「自分のことじゃないみたい、信じられないくらいうれしい」と笑顔を弾けさせた。

本人も周囲も大興奮

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