Airbus、多目的な軌道モジュール「LOOP」を開発。次世代の宇宙ステーションを目指して

LOOPは、有人宇宙飛行における豊富な経験と、チームの創意工夫と革新的な精神を組み合わせて開発されたという。

2000年以降、宇宙飛行士は国際宇宙ステーション(ISS)で生活し、仕事をしている。ISSは15年の寿命を想定して設計されたが、現在ではそれを大きく上回り、10年後の軌道離脱が予定されている。

AirbusのLOOPは、宇宙での長期滞在を快適で楽しいものにすると同時に、効率的で持続可能な運用をサポートするために設計されている。地球低軌道や月周回軌道、火星への長期ミッションなど、宇宙での人類の未来を最大限にサポートするという。サポートにあたり、同社が数十年にわたり学んできたことを基に、明日のテクノロジーの可能性を最大限に活用するとしている。

この新しい軌道上のモジュール、あるいはその要素は、商業的あるいは制度的なものであれ、ポストISSやその他の将来のインフラの一部になる可能性がある。LOOPは直径8メートル、長さ26フィートと、クルーにゆとりのある空間を実現。また、剛性の高い外殻が外的要因から最大限保護する。

モジュール全体を一体で打ち上げ可能で、次世代の超重量級ロケットに適合するように設計されている。そのため、LOOPは軌道に乗るとすぐに運用が開始され、人間やペイロードを受け入れる準備が可能。

LOOPは、居住デッキ、科学デッキ、遠心分離機という3階層で構成されている。居住者のために重力状態を作り出すことができ、無重力の人体へのストレスを軽減できるという。

4人乗りのクルー用に設計されているが、一度に最大8人の宇宙飛行士を一時的に収容できるようになっている。現在および将来のすべての乗員・貨物輸送機と互換性がある。

デッキは、中央のいわゆる「トンネル」を介してつながっており、モジュールの中心には温室構造がある。異なるデッキに分離することで、内部の「セーフハーバー」コンセプトが実現するという。

モジュール式アプローチにより、個々のミッション要件や目的に合わせてデッキの選択できる。オペレーターは、3つのデッキのいずれか、またはすべてを、それぞれのミッションの目的に沿って個別に設計されたオプションに置き換えられる。

また、「ドライ」モジュールやデッキ、つまり機械的な構造のみで艤装を施さず、独自のインフラ要素を装備することも可能だという。複数のAirbus LOOPモジュールを組み合わせて、様々なデッキを持つより大きなステーションにしたり、同じタイプのものをいくつか連結させることも可能だとしている。

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