糸魚川市竹ケ花の糸魚川総合病院の分娩(ぶんべん)休止を受け、同市消防本部は25日、救急救命士や救急隊員を対象にした分娩介助実技研修を同消防本部で行った。50人が参加し、助産師2人から技術や知識を学んだ。
講師の助産師は、上越看護専門学校(上越市大潟区)の横澤亜希子さん、糸魚川市こども課の上原尚子さん。訓練人形や模型などを用い、基本的な分娩介助について実演を交えて説明した。
2人はさまざまな状況に応じた実技指導に加え、妊婦に安心感を与える雰囲気づくりの重要性を強調。自信を持って介助に臨み、「大丈夫ですよ」などと声掛けすることも大切だと伝えた。救急車内での分娩介助を想定した訓練では、実際の車内で介助のポイントや注意点を教えた。
参加者は熱心に聞き入り、質疑応答も活発に行われた。武藤悟消防署長は研修後、「やはり(分娩介助の)実出動が少ないので、不安に思っている隊員が多いと思う。自信を持ってやれる隊員を育てていくことが、私の責務。妊婦が安心できる環境をつくるための、消防としての役割を果たしていきたい」と今後を見据えた。