シューマッハー、シミュレーターでチームを支援。F1ヨーロッパラウンドでは金曜にファクトリーで作業、土日に現地入り

 ミック・シューマッハーは現在、メルセデスのリザーブドライバーを務めているが、ヨーロッパでグランプリが開催される週末は、ブラックリーの拠点でシミュレーションを使った開発にも携わることになった。

 シューマッハーはハースで2シーズンを過ごした後、2023年はシートが確保できない状態に陥っていたが、メルセデスのリザーブドライバーに選ばれた。今シーズンのすべてのF1レースに同行することになっており、必要となれば、ルイス・ハミルトンやジョージ・ラッセルの代わりに出走することになる。

 それに加えて、ブラックリーでメルセデスのシミュレーターを使った開発作業にも従事している。『Auto Motor und Sport』によると、シューマッハーは来月イモラで行われるエミリア・ロマーニャGPから、金曜日はブラックリーでシミュレーション作業に携わるようになり、メルセデスのドライバーのためにマシンの設定を詰める手伝いをするという。そこから夜のフライトでサーキット入りし、週末の残りの期間はリザーブドライバーとしての仕事を行うことになる。

 なおシューマッハーはメルセデスのみのリザーブドライバーではない。必要が生じれば、マクラーレンのドライバーのどちらかの代わりに出走することもある。

2023年F1サウジアラビアGP ミック・シューマッハーとトト・ウォルフ代表(メルセデス)

 今シーズン、シューマッハーはすでにメルセデスのために貢献している。アゼルバイジャンやマイアミで行われるF1のフライアウェイレースに備えるために、シミュレーションで何時間にもおよぶ作業をしている。

 最近、メルセデスのシミュレーター装置について印象を聞かれたシューマッハーは、できるだけ長い時間チームのバーチャルシステムに触れていたくなると答えている。

「すごく先進的だ」とシューマッハーは述べた。

「最大限に活用したいと頑張っているよ」

「控えとして待機しているだけでは物足りない。自分にできることをやっていきたいんだ。もちろん、シミュレーターはリアルではない。リアルのW14マシンをドライブしたいね!」

 シューマッハーにとって、その願いはすぐにかなうかもしれない。メルセデスは6月のスペインGPのあと、バルセロナ-カタロニア・サーキットで行われるピレリのタイヤテストに参加する予定だ。

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