関西電力が高浜原発3、4号の40年超運転を申請 原子力規制委に、稼働中原発で福井県内初

高浜原発3号機(手前)と4号機=2022年11月、福井県高浜町田ノ浦(福井新聞社ヘリから撮影)

 関西電力は4月25日、運転開始から37、38年が経過する高浜原発3、4号機(ともに加圧水型軽水炉、出力87万キロワット)について、40年超運転に向けた運転期間の延長認可と蒸気発生器(SG)の取り換えに伴う原子炉設置変更許可を原子力規制委員会に申請した。稼働中のプラントが40年超運転の審査を受けるのは、福井県内の原発では初のケース。

 関電が運転期間の延長認可を申請するのは、高浜1、2号機、美浜3号機に続き4、5基目。

 高浜3号機は1985年1月、4号機は同6月に運転を開始し、2025年に40年を迎える。現行ルールでは原発の運転期間は原則40年と定められ、規制委が認めれば最長20年延長できる。

 関電は21年から、2基の安全上重要な約8400機器を対象に、運転期間延長を想定した劣化状況評価などに着手し、昨年9~11月には原子炉容器などの劣化を詳細に調べる「特別点検」を実施。いずれも問題や異常がないことを確認した。同11月に40年超運転の方針を決め、福井県に報告していた。

 規制委は今後、特別点検や劣化状況評価などの結果を審査し、運転延長が妥当かどうかを判断する。高浜1、2号機は15年4月、美浜3号機は同11月に申請し、それぞれ16年6月と同11月に合格しており、審査に1年程度掛かっている。

 2基のSGの交換は運転期間が40年を超えた後、3号機が26年6~10月、4号機が同10月~27年2月の定期検査時に予定し、最新設計のものに取り換える。昨年11月、県に事前了解願を提出し、今月24日に県から計画の了承を受けていた。

 原発の運転期間を巡っては、政府が「原則40年、最長60年」の骨格を残しつつ、審査などで停止した期間を除外して60年超運転を可能とする改正案を今国会に提出しているが、関電は現行制度のもとで運転延長の手続きを進めるとしている。

 

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