「青春18きっぷ」だけじゃない!覚えておきたいJRに安く乗る方法

のんびり景色を楽しみながらローカル旅を味わう方や、タイムイズマネーで移動時間は無駄と考える方など、長距離移動の目的も、時間の価値や使い方も人それぞれ。自身のスタイルに合わせて切符をお得に買おうとすると、どうしても時間を使う結果になりがちです。

買い方や旅行の工夫で、JRの切符を安く買える方法を紹介しますので、それぞれの違いを知って、旅の参考にしてみてください。


往復割引乗車券

往復乗車券を購入すると、片道の営業キロが601km以上あれば、行きと帰りの運賃がそれぞれ1割引になります。乗車券のみの適用で、新幹線特急券の割引はありません。例として、東京―大阪は556.4kmで往復割引の適用なし。目的地があと少しで600kmになる場合は、先の駅まで延長して往復割引を適用した方が、かえって安くなる場合があります。

有効期間は片道乗車券の2倍。距離によって変わり、東京ー岡山は10日間になります。JRの割引切符の多くは繁忙期に使えませんが、往復割引乗車券は年中使えます。また後述の学生割引乗車券とも併用することができます。

学生割引乗車券

学生割引乗車券は、JRから指定を受けた中学・高校・大学・専修・各種学校の学生が利用できます。片道の営業キロが101km以上の場合、運賃が2割引になります。学校が発行する「学生・生徒旅客運賃割引証」を窓口へ提出して利用します。

WEB予約で早特を利用

「e5489」「えきねっと」など、新幹線や特急をWEBでお得に買える会員制予約サービスがあります。それぞれ扱っている路線などが異なりますが、東海道・山陽・九州新幹線を利用する方なら「スマートEX」か「エクスプレス予約」です。

スマートEXは、年会費無料ですぐに使えるサービスです。Suicaなど全国相互利用対象の10種類の交通系ICカードのほか、モバイルSuicaやモバイルPASMOにも対応しています。スマートEXの場合、EX早特、EXグリーン早特ワイドなどさまざまな割引がありますが、基本的には窓口価格と大きな差はありません。またGWなどの繁忙期は除外日となります。

よりお得な予約を選ぶなら、1人の場合「EX早特21ワイド」。21日前の予約が必要ですが、東京ー大阪は通常自由席で13,870円のところ、EX早特21ワイドならのぞみ指定席で12,370円。片道1,500円も安くなります。

2人以上なら「EXこだまファミリー早特」がおすすめ。こちらは3日前まで予約できます。2〜6名の予約が可能で、子ども用の設定もあります。こだまなので乗車時間は長くなりますが、新大阪ー東京で10,080円。後述する「ぷらっとこだま」なみの価格になります。

エクスプレス予約は年会費1,100円や、対象クレジット契約が必要です。スマートEXよりお得な会員価格が年中適用される点がメリットと言えます。新幹線の利用頻度が高い場合は、検討価値があるでしょう。

株主優待割引券

JR各社の株主優待割引券を使って切符を安く購入できます。

例えばJR東日本の場合、割引券1枚使用で片道が40%割引になります。1枚につき1人1回使用可能。割引券を使う切符購入は券売機やえきねっとでも可能です。割引の適用は営業路線内のみ。JR他社と営業路線をまたぐ場合は別々に購入しなければならず、逆に高くなることもあります。

JR東日本の株主優待割引券は、1,000株までは100株につき1枚もらえます。2023年4月21日(金)現在、株価は7,675円なので、100株だと767,500円必要です。

利用者の多いJR東海は、割引率が低く株価も高いです。JR各社によって株価も割引率も異なりますので、利用する路線の優待内容を調べてみてください。

ぷらっとこだま

高速バスは嫌だけど、新幹線の長時間乗車なら……という方におすすめなのが、JR東海ツアーズの「ぷらっとこだま」。繁忙期も利用可能で、新大阪から東京までの区間を格安で乗車することができます。

料金は新大阪ー東京間で通常期10,900円で、通常料金は自由席で13,870円ほどですから、その差2,970円。さらに1ドリンク引換券が付きますし、こだまはのぞみに比べて比較的空いているというメリットも。

ただし「ぷらっとこだま」には注意点があります。

・乗車時間が長く東京―新大阪間は約4時間(のぞみは約2時間半)
・指定の新幹線以外は乗れず、遅れても払い戻しができない
・乗車日や指定座席の変更はできない
・通常のJR券のように東京都区内や大阪市内区間などの移動はできず、額面の駅までしか乗れない

乗り遅れて全額無駄になる事態は避けたいですね。学生など、時間通りに動ける方には合っていますが、多忙な方や子連れ旅には少々リスクありでしょう。

青春18きっぷ

GWなど繁忙期には使えませんが、時間にたっぷり余裕のある方におすすめなのが青春18きっぷです。

全国のJR全線の普通列車の普通車自由席が、5回(人)乗り放題です。1回の使用で、その日のうちに何度でも乗り降りできます。1人で期間内に5回使用するもよし、5人で日帰り旅もよし、色んな使い方ができます。長距離移動すればするほどお得といえ、途中下車も可能なので、体調不良など不測の事態に対応しやすい点もメリットです。

青春18きっぷを上手に使いこなすためには、乗り継ぎやご当地情報などの下調べが肝心です。普通列車しか乗れないため、待ちぼうけしないようスムーズな乗り継ぎ情報を確認しておきましょう。乗換検索で新幹線や特急のチェックボックスを外せば簡単に検索できます。
途中下車でローカルの銘菓を購入したり、知る人ぞ知る名所の観光ができたりするのも青春18きっぷならではです。

2023年の使用期間は、下記のように定められています。

春季用 2023年3月1日(水)から2023年4月10日(月)まで
夏季用 2023年7月20日(木)から2023年9月10日(日)まで
冬季用 2023年12月10日(日)から2024年1月10日(水)まで

新幹線+宿泊パック

新幹線に乗って旅行に行くなら、宿泊パックがおすすめです。WEB予約で済むだけではなく、ホテルに低価格で泊まれます。

いま話題のパックと言えば、JR東海ツアーズの「ずらし旅」。GW中は使えないものの、首都圏から関西圏にかけて、往復新幹線+ホテル+体験サービスがお得なセットになっています。

新幹線往復代と変わらないような価格で、泊まるだけなら十分なクオリティーのホテルを選ぶことができます。大阪だと「ホテル京阪天満橋」や「ホテル阪神アネックス」などに宿泊できます。もう少しお金を出して、ハイグレードなホテルを体験する楽しみ方もアリでしょう。

さらに現地で水上クルーズなどを楽しめる「ずらし旅選べる体験クーポン」がついてきます。ケースによっては「全国旅行支援」が使えるため、さらにお得に利用できます。

時間と楽しみ方を考え、相談して決めよう

どんな時間を過ごしたいか、どんな楽しみ方をしたいか、同行者とも相談して決められるといいですね。移動時間も有意義に、どうぞ良い旅をお過ごしください。

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