珍しい生物「待ってるよ」 魚津水族館、富山湾捕獲の3種展示

 珍しい海の生き物が待っている-。魚津水族館(富山県魚津市三ケ)は、富山湾で捕獲例が少ない「ツキミシビレエイ」「ダーリアイソギンチャク」「アカグツ」の3種を展示している。いずれも詳しい生態が分からず、同館での飼育実績も少ないため、長期的な展示が難しいとして、早めの観賞を呼びかけている。

 3種はいずれも今年2~4月に、富山湾の定置網などで見つかった。

 ツキミシビレエイは、2017年に日本で発見されて和名が付いたエイの一種。3月20日に射水沖の定置網にかかっていた。月のような形で発電器官を持つ。

 ダーリアイソギンチャクは深海底に生息し、2月3日に入善沖の水深400メートルで底引き網に混ざっていた。大きさは直径30センチで触手が多く、ダリアの花を思わせる姿が特徴的。本来は転がるように動くが、水槽内ではじっとしている。同館では15年ぶりの展示。

 アカグツはアンコウの仲間で、ヒキガエルのような見た目から別名の「グツ」にちなむ。全長15.5センチの個体が4月9日に魚津沖で捕獲された。同館での展示は5年ぶりで、腕のように伸びる胸びれで移動する動きを見られる。

 木村知晴飼育員は「かわいらしい姿なので、早めに観賞に来てもらえればうれしい」と話している。

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