GTワールドチャレンジ・アジアに強豪続々エントリー。DTM王者ゲーツがクラフト・バンブーから参戦

 ファナテック・GTワールドチャレンジ・アジア・パワード・バイ・AWSを運営するSROモータースポーツ・グループは、2023年のシリーズエントリーを続々更新している。アジア屈指の強豪である香港のクラフト・バンブー・レーシングは2台のメルセデスAMG GT3を投入し、2021年のDTMドイツ・ツーリングカー選手権王者のマキシミリアン・ゲーツを起用するほか、アウディR8 LMSを走らせるマレーシアのアウディスポーツ・アジア・チーム・アブソリュート、中国のファントム・プロ・レーシングが2台体制での参戦を表明した。

 2022年から日本で4戦を開催するスタイルを採り、大幅に台数を増やしコロナ禍から脱却を図ることに成功したGTワールドチャレンジ・アジア。今季はジャパンカップをはじめ非常に多くのエントリーを集めているが、アジア各国から多くの強豪が復活を果たした。

 まず、これまで世界中のレースで大活躍をみせている強豪チームである香港のクラフト・バンブー・レーシングが、2台のメルセデスAMG GT3を投入することになった。1台はJ-フライ・レーシングとのコラボレーションで、ジェフリー・リーと、2021年DTM王者のゲーツがコンビを組む。もう1台については、5月12〜14日の第1戦タイの直前でラインアップが明らかにされる。

「ようやくアジアでのレースに戻ることができて嬉しく思うよ。今季は地域の交流がふたたびオープンになるにあたり、チームをリビルドする過程だった。困難は過ぎ去り、チームは前向きにとらえている。今シーズンの挑戦が楽しみだ」と語るのは、クラフト・バンブー・レーシングのチームディレクターを務めるダリル・オーヤン。

 また、マレーシアのアブソリュート・レーシングはすでに2台のポルシェに加え、2台のアウディを投入することが決定しているが、そのうちの1台がアウディスポーツ・アジア・チーム・アブソリュートとしてのエントリーとなった。

 ドライバーはWEC等の経験もあるアンドリュー・ハルヤント、ジェームス・ユー・クワイの2名で、「アジア最速のジェントルマンドライバーのひとりと、有望な若いプロドライバーを組ませることができうれしく思う」とチームディレクターのインゴ・マターは語った。カラーリングは“ダイバーシティ(多様性)”をテーマにしており、サイドにはさまざまな肌の色をもったアヒルが描かれる。

 また2台のアウディで参戦することになったのは、中国のファントム・プロ・レーシング。1台はチームオーナーでもあるクリス・オン・チアとデンマーク人ドライバーのミケル・マック、もう一台はカオ・チーとリン・カンがコンビを組む。

 チームは中国でのGTワールドチャレンジ・アジアにスポット参戦した後、シリーズ参戦を計画していたが、コロナ禍により参戦は実現せず、今季は満を持しての参戦だ。「今年のスケジュールは多様で、自分にとっては6コースのうち5コースは初体験だ。我々にとって大きな挑戦になる」とオン・チアは語っている。

 ジャパンカップに向けても多くの日本チームの参戦がありそうで、今季のGTワールドチャレンジ・アジアは見逃せないシリーズとなりそうだ。

アウディスポーツ・アジア・チーム・アブソリュートのアウディR8 LMS。サイドにさまざまな肌の色をもつアヒルが描かれる。
ファントム・プロ・レーシングのアウディR8 LMS

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