開発の現場を取材 アレルギーのない卵「安全性を確認」世界初!広島大学

先週、広島大学の研究グループが、“ゲノム編集技術” でアレルギーの原因物質を除去した卵を紹介しました。広島大学は26日、東京で記者会見し、「安全性を確認できた」と発表しました。

広島大学 大学院 統合生命科学研究所 堀内浩幸 教授
「オボムコイドがない卵を使えば、卵アレルギーの人でも反応しない」

広島大学とキユーピーの研究グループが発表したのは、卵アレルギーの原因となるタンパク質「オボムコイド」を世界で初めて取り除いた卵です。

「オボムコイド」は加熱しても残るため、アレルギーの原因の1つとなっていました。

広島大学 大学院統合生命科学研究科 堀内浩幸 教授
「そこで使われているのが、ゲノム編集という技術。ゲノム編集は遺伝子を組み替えない、狙ったところの遺伝子を切ってしまうだけ」

“遺伝子組み換え” は、別の生物などの遺伝子を加えますが、“ゲノム編集” は、もともとの遺伝子から狙った部分のみ切り取る技術です。

堀内教授などの研究グループは、ニワトリの生殖細胞をゲノム編集することで、オボムコイドをノックアウトすることに成功しました。

ゲノム編集による副産物やほかの遺伝子への影響もなく、世界で初めて安全性が確認されたということです。

卵アレルギーは、食物アレルギーの中で最も多い3分の1を占めています。

広島大学 大学院 統合生命科学研究科 堀内浩幸 教授
「実は医薬品などでも卵は使われている。カゼ薬には注意書きで卵アレルギーの人は気をつけてくださいと書いてある。季節性のインフルエンザワクチンも打てない人がいる。そこにこの卵が利用できないか」

研究グループは今後、安全性の臨床試験をして商品化を目指したいとしています。

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