渡辺名人も感慨ひとしお「ゆかりの地で将棋指すのは記念に」“名人”の称号は静岡発祥 注目の第2局始まる

藤井聡太六冠が渡辺明名人に挑む「名人戦」の第2局が4月27日、静岡市で始まりました。最も伝統のある「名人」の称号が実は静岡生まれということをご存じでしょうか。

<滝澤悠希キャスター>

「1891年開業の老舗料亭・浮月楼です。ここでまもなく対局が始まるということで、こちらまで緊張感が伝わってくるようです」

27日午前9時から始まった名人戦の第2局。史上最年少での七冠達成を目指す藤井聡太六冠が名人戦4連覇を目指す渡辺明名人に挑んでいます。

2人の対戦成績は、20戦のうち、藤井六冠が17勝と勝ち越して、このうち名人戦の第1局でも藤井六冠が勝利。先手の藤井六冠がいつものようにお茶をふくんだあと、初手で2六歩を指して対局がスタートしました。

26日行われた前夜祭で棋士の2人が対局への思いを語りました。

<藤井聡太六冠>

「浮月楼は先月のA級順位戦で初めて来たが、名人戦で再び来られてうれしく思う」

<渡辺明名人>

「名人位に非常にゆかりのある静岡市で81期名人戦を指すのは良い記念になる」

渡辺名人が話した名人と静岡市のゆかり…実は初代名人が誕生したのは静岡市なんです。現在の静岡市に隠居した徳川家康公は当時実力のあった将棋指しを駿府城に呼び、対局させていました。

1612年、家康公は将棋指しの中で、第一人者と認められた大橋宗桂に俸禄を与え、「一世名人」の称号を得ることになりました。これが将棋名人制度の発祥となったのです。

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