降り注ぐ春の色彩 宇都宮・上籠谷のフジ見頃

棚一面に咲くフジの花

 【宇都宮】上籠谷(かみこもりや)町、菊地芳弘(きくちよしひろ)さん(79)方の庭にある市天然記念物「上籠谷のフジ」が見頃を迎えた。約12メートル四方の藤棚に所狭しと花房が下がり、棚一面を薄紫色に彩っている。

 フジは樹齢約130年。1993年に市天然記念物に指定された。この時季は庭に椅子やテーブルを用意し、一般開放している。菊地さんによると、今年の開花は例年より10日ほど早く、ゴールデンウイーク明けまで楽しめるという。

 妻の智恵子(ちえこ)さん(76)が主に手入れしているが、地元の住民らが「守る会」を結成し、2007年から管理を支援している。会の発足当初は100人超だった会員数も高齢化で減少しており、現在は51人。

 菊地さん夫妻は「皆さんに見てもらうのが手入れの励みになる。楽しんでもらいたいですね」と話す。国道123号を茂木方面に進み、県農業大学校を過ぎてすぐ右折。1キロほど南下した上籠谷町の集落内にある。

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