栃木県人口35年ぶり190万人割れ 1日現在189万8513人

本県人口ピーク時と比較した25市町の人口増減率

 4月1日現在で栃木の県人口が前月比3510人減の189万8513人となり、1988年以来、約35年ぶりに190万人を下回ったことが27日、県の毎月人口推計で分かった。少子高齢化が加速し、過疎化が進む市町では県全体のピーク時に比べて2割以上減少した。一方で外国人人口は増え、今後も増えると見込まれている。

 3月は出生(819人)から死亡(2192人)を差し引いた自然動態が1373人減で、162カ月連続で減少した。転入(1万1773人)から転出(1万3910人)を差し引いた社会動態は2137人減で、2カ月連続の減少となった。

 進学や就職と重なる4月は首都圏(1都3県)への転出が増え県人口は大幅に減る傾向にある。今年は首都圏に5345人が転出したのに対し、首都圏からの転入はおよそ半分の2881人にとどまった。

 自治体別では上三川町と那須町で前月に比べて人口が増え、他の23市町で減少した。世帯数は1731世帯増え、81万1136世帯となった。真岡と下野、益子、茂木の4市町で減少し、他の21市町で増加した。

 同推計によると、県人口は1988年6月に190万人を上回り、2005年12月の201万7664人がピークとなった。以降は緩やかに減少し、11年11月に200万人を割った。直近では年間1万人超のペースで急速に減少している。

 特に茂木や那珂川、那須烏山、塩谷、日光の5市町では県人口ピーク時に比べ2~3割ほど減少。年間の出生数も過去最少を更新し続けている。

 県総合政策課は「人口減の進行は切実で、さらなる対策が必要。県民が安心して結婚し子どもを産み育てられる環境づくりと、移住定住や地元定着の促進に取り組みたい」としている。

 一方、県内に住む外国人は22年12月末時点で4万4741人となり過去最多となった。人手不足を背景に、今後も増加傾向が続くとみられている。

4月1日現在の県人口

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