「ドライバー・フリー」自動運転技術の最前線

シリーズ「池袋暴走事故から4年…進む社会のその先に」。4日目は、交通事故を減らすことが期待される自動運転についてお伝えします。

自動運転は、「性能」によってレベル別に5段階に分かれています。レベル2まではあくまで運転支援であって、運転自体はドライバーが主体となって行います。レベル3からはドライバーではなくシステムが運転の主体となります。2020年に解禁されたこのレベル3では、条件付きではありますが「アイズ・フリー」つまり目線を外してスマホの操作や映画観賞などができるようになりました。

そして今年、自動運転は新たな時代に突入しました。4月に施行された改正道路交通法によって、場所や時間に制限はありますが、「ドライバーがいなくても」走行が可能なレベル4が解禁されました。

日々進化する自動運転。都内を走る運転手が乗っていないバスに乗車しました。

羽田空港に隣接する「羽田イノベーションシティ」。その敷地内で、ゆっくりと走る1台のバス。車内に運転席はなく、運転手の姿もありません。4月1日に解禁されたレベル4の認定を目指す自動運転のバスです。時速約8キロで走行しカーブもスムーズに曲がることができます。そして横断歩道に差し掛かると、バスは車体に取り付けられた8つのセンサーで歩行者や障害物を感知し、自動で停車・発進を繰り返します。センサーは車の周りの状況を360度、60メートル先まで認識できるということです。敷地内の停留所を回り、約1キロを8分で走ります。

実際に乗車した人は…
乗客:「すごく安心感があった。そんなに揺れも大きくなかったし、歩行者もスムーズに検知してくれて、人間よりもお利口だと思う」

導入から3年、敷地内でこれまで約15000回の自動運行を行った結果、事故は一度も起きていないといいます。

バスを運行する会社は今後の課題として、車や人の通行量が多い道での安全性を示すことを挙げていて、そのため今年1月から3月にかけ、羽田空港までの往復約4キロの公道を走る実証実験を行いました。

担当者は自動運転の強みをこのように分析しています。
担当者:「機械のいいところは「疲れない」「見落とさない」」「人間が意識をしていない、注意を払っていないところから人が飛び出してきたりすることが何度もあったが、1度も見落とすことなく止まったり道を譲ったりできた。(自動運転が)交通安全のレベルを1段上げる。自分で運転しなくても生活ができる、車のお世話になることができるという社会を作っていきたい」

進化する自動運転の先に…。交通事故ゼロの期待が高まります。

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