「はだしのゲン」など戦争テーマの映画3作品 5月5・6日に「GW特別上映会」

 5月5日(金・祝)と6日(土)の両日、山口県教育会館(山口市大手町2)で西京シネクラブが「GW特別上映会」を開催。1970年代から来年公開予定の映画のスピンオフ(番外編)まで、「戦争」がテーマの古今3作品が上映される。

はだしのゲン

 中沢啓治の同名漫画を原作に、山田典吾監督が1976年に制作した実写版。三國連太郎や左幸子などの名優が出演した。
 1945年4月、太平洋戦争末期の広島が舞台。国民学校2年の中岡ゲン(佐藤健太)は、両親、姉、弟と一緒に暮らしていた。日頃から戦争に批判的なゲンの父・大吉(三國)はある日、町内会の竹やり訓練中に「この戦争は間違っている」と発言。その一言で「非国民」とののしられ、挙句には「特別高等警察」に逮捕されてしまう―。
 上映は、5日午後1時半と6時からの2回で、予約料金は1300円。

沖縄、再び戦場へ(仮)

 沖縄と戦争をテーマに取材を続けている映画監督の三上智恵が、政府によって防衛強化が進められている南西諸島の様子を収めた。2024年に劇場公開を目指すドキュメンタリー映画用の素材だが、「来年の公開までには時間があり、現時点での沖縄の危機感を共有してほしい」との思いから制作した45分のスピンオフ作品だ。
 三上監督は1964年東京都出身。1987年にアナウンサーとして毎日放送に入社、1995年、琉球朝日放送の開局時に沖縄に移住した。2014年にフリーになり、沖縄と戦争をテーマに取材している。主な作品に映画「標的の村」「戦場(いくさば)ぬ止(とぅどぅ)み」「標的の島 風かじかたか」「沖縄スパイ戦史」、書籍「証言 沖縄スパイ戦史」がある。
 上映は、5日午後3時40分、4時40分、6日午後4時40分からの3回。上映後には「感想交流会」も開かれる。料金は予約・当日とも500円。

灼熱の魂

 「メッセージ」(2016年、アメリカ)「ブレードランナー2049」(2017年、同)などを手掛けたカナダ人監督ドゥニ・ヴィルヌーヴの出世作。第83回アカデミー外国語映画賞にノミネートされたヒューマンミステリーで、2010年制作の「4Kデジタル・リマスター版」が上映される。
 双子の子ども、ジャンヌとシモンと暮らす初老の中東系カナダ人女性ナワルは、謎めいた遺言と2通の手紙を残して他界した。その手紙は、2人が存在すら知らされていなかった兄と父親に宛てられていた。遺言に導かれ、初めて母の祖国を訪れた姉弟は、戦争(紛争)に翻弄された彼女の数奇な人生と、家族の宿命を探り当てていく――。
 上映は、6日午前10時半、午後2時、6時からの3回で、予約料金は1500円。

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 「『はだしのゲン』が小学校の平和学習教材から削除されるニュースが世間で取り沙汰されている中で、この作品を無くさないでほしいという思いがあって選んだ。『沖縄、再び戦場へ(仮題)』は、日本の現状の最前線を伝えている。平和を願う第一歩として、原点に戻って事実を知ろうという思いを込めて、GW特別上映会を企画した」と、主催の西京シネクラブ(電話予約:TEL083-928-2688)。

 2作品の当日料金は、各200円高になる。また、19歳から25歳までは1000円、18歳以下は800円で観賞できる。

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