家賃、保険、通信費…固定費の削減、見直すのにおすすめの順番は?おすすめのロードマップをお金のプロが解説

家計の見直しでは、まず固定費から行うことがよいといわれています。固定費は毎月決まった額の支出になることから、一度削減できるとその効果が長く続くからです。
ただ、固定費の見直しといっても、どの部分から手をつけたらいいのか迷う人も多いのではないでしょうか。

今回は固定費の削減を行うにあたり、見直す際におすすめの順番を紹介します。


固定費に該当するもの

家計の支出は大きく「固定費」と「変動費」の2つに分けられます。

変動費には「食費」や「日用品費」、「被服費」のほか、「交際費」や「娯楽費」などが該当します。そして固定費には「家賃」や「保険料」、「通信費」、「光熱費」のほか、「車両関係費」や「教育費」などが含まれます。

原則として、家計費を見直す順番はまず固定費から行うことです。なぜなら、固定費は家計の支出の中でも大きな割合を占める部分であるとともに、毎月一定額という特徴から、一度見直すことでその効果が長く続くからです。

見直す順番は?

固定費を見直すことで、家計の支出を削減させる効果がより大きくなりますが、見直しを行うにあたっては、見直す順序やタイミングも考えて行う必要があります。今回は見直しやすい順番で紹介していきます。

1.通信費
固定費の見直しにあたり、一番最初に取りかかるべき項目は「通信費」です。通信費にはスマートフォンにかかる通信費や、家に引いているインターネット回線料のほか、映画や音楽などのサブスクリプションサービスの料金も含まれます。

これらの費用は現在では必要不可欠なものですので、出費をゼロにすることはできません。しかし、見直すことで費用を抑えることは可能です。

できるだけ安いインターネットサービスを選択したり、スマートフォンのキャリアを格安SIMに変更することで費用を抑えることが可能です。

また、固定費として見逃せないのが、サブスクリプションサービスの利用料です。無料利用期間が設定されているサブスクリプションサービスについては、必ず無料期間が終了する時期を把握しておき、そのサービスを本当に継続するのかを考えましょう。利用する頻度が少ないなど、月額料金に見合った使い方をしていないなら、思い切って解約するべきです。

2.教育費
子どもの教育費には学費以外にも塾や習い事など多くの費用がかかるものです。また、この金額はどんどん上がっていきやすい部分でもあります。例えばダンスやピアノなどは教室に通い、学習塾なら最近浸透しつつあるタブレット学習を上手く活用するなど、一部を置き換えることで、教育費を抑えられる可能性があります。

塾に通うとなれば、交通費や教材費が必要となる場合もありますが、タブレット学習に置き換えることでアプリのダウンロードだけで完結する場合もあります。
オンラインのレッスンが利用できる習い事は積極的にタブレット学習を取り入れることで勉強や習い事にかかる費用を安くできる可能性が高まります。

3.光熱費
次は、値上がりが続いている光熱費も見直しましょう。電力会社やガス会社が自由に選べる時代になったからこそ、複数の新電力会社やガス会社のプランを比較し、一日の家族の生活スタイルに合った、よりお得なプランを探してみましょう。

例えば共働きで昼間は不在なら、夜の時間帯の電力使用量が安くなるプランを選ぶことで、通常のプランよりも安くできます。
各電力会社ではシミュレーションができるところもありますので、電力使用量とプランでどのくらい変わるのかを比較してみましょう。

大手の通信会社では電力会社と提携してお得なプランを提供しているところもありますので、通信費を見直す際に合わせて比較してみてもいいかもしれません。

また、10年以上使っている家電を買い換えることで電気代が節約できるケースもあります。家電製品の買い換え時期を把握し、必要なら思い切って買い換えてもいいでしょう。
環境省のサイトによると、冷蔵庫などは、10年前と比べると約40%の省エネ性能を誇っています。 エアコンも約10%省エネ効果があるといわれており、夏場や冬場の電気代の高騰を抑えられます。
電気代の変化にもよりますが、電力使用量が半分になる効果は大きいでしょう。

4.保険料
保険料は保障内容を見直すことで金額を下げることが可能です。最近は新しい内容の保険商品も相次いで販売されているため、意識して見直しを考えてみましょう。

新しい内容の保険商品は、保障範囲が広がっており、また、不要な保障は削られています。たとえば、最近では入院期間が短く、1週間程度で退院し、通院治療に切り替える方法が主流です。その場合、長期間の入院保障を短いものにし、新たに通院保障を付けることで、現状に合った保障に替えられるほか、場合によっては保険料が下がるケースもあります。

その保障が本当に必要な保障なのかはライフステージの変化によって異なります。子どもの誕生と合わせて死亡保障や収入保障を手厚くする反面、子どもの独立などのタイミングでは死亡保障を少なくしたり、収入保障を外すなど、ぜひ見直しを行いましょう。

5.車両関連費用
車両関係費には、「駐車場代」や「自動車保険料」などがありますが、自動車保険料はネット保険を利用することで安くできます。駐車場代は住んでいる家の種類や場所によって異なりますが、近隣の駐車場の状況を把握しておき、できるだけ安い駐車場を選ぶようにしましょう。

特に通勤や送迎で毎日車を利用しないのであれば、思い切って車を手放してもいいかもしれません。車にかかる費用は保険料以外にも自動税や車検代などがあります。それらの費用と必要な時だけ利用するカーシェアリングの費用を比較し、カーシェアリングの方が安いならカーシェアリングの方を優先させるべきでしょう。

6.家賃
家賃は家計の支出の中でも一番大きな割合を占めるものですが、だからこそ更新時の家賃の値引き交渉は大切です。引っ越す費用が発生することで引っ越しをためらう人もおられますが、一時的に発生する引っ越し費用とその後の家賃の削減効果を長期目線で比較し、削減効果が得られるなら思い切って引っ越すことも1つの案です。

見直す順番を意識することが大切

今回は固定費の見直しの順番について解説しましたが、必ずしもこの順番を守らなければならないわけではありません。一般的に取りかかりやすい順番を紹介させていただきましたが、特に一時的な費用が発生するタイミングなら、買い換えや引っ越した後の費用削減効果も視野に入れる必要があります。

生命保険は誕生日を境に保険料が上がるケースが多いため、見直すなら次の誕生日が来る前など、時期の見極めも合わせて行っておきましょう。

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