「全ての被害者の救済を」黒い雨の救済を巡り新たに集団提訴 新たな認定基準でも却下

原爆投下後に降った「黒い雨」を巡り、国の新しい基準でも被爆者手帳の申請を却下された人たちが28日、処分の取り消しを求めて広島地裁に提訴しました。

訴えを起こしたのは、現在の広島・廿日市市吉和などで黒い雨を浴びたと訴える23人です。このうち15人は「黒い雨の降雨地域として確認できない」として被爆者健康手帳の申請が却下されました。

訴えでは、「黒い雨の降雨地域はいまだ解明されていない」と指摘。「黒い雨に遭ったという証言の信用性を慎重に吟味し、雨が降った可能性を判断すべきだ」と主張しています。また、新たな認定基準の中に病気の有無が含まれている点も被爆者援護法の趣旨に反するとしています。

弁護団事務局長 竹森雅泰 弁護士
「被爆者認定のあり方を是正して、全ての黒い雨の被害者をすみやかに救済することを目的に、この裁判を戦っていきたい」

弁護団は、今後も原告を募り追加提訴をしていく方針です。

「黒い雨」相談会
5月28日午後2時から広島弁護士会館(広島市中区)で。
問い合わせは、広島県被団協被爆者相談所(082-503-2750)まで。

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