きのう(26日)、異音が確認されたため、一帯に避難指示が出されている広島県呉市の山について、市は「安全確認には数日かかる」という見通しを示しています。
26日朝、呉市広塩焼で、「近所の山の中からバキバキと音がして心配」という通報がありました。
駆けつけた消防も、現地で同じような音を確認したことから、呉市は、土砂災害の可能性もあるとして、一時、周辺のおよそ140世帯に避難指示を出しました。その後、県の調査をふまえて、避難指示の対象は27世帯・およそ60人に縮小されましたが、消防や警察が徹夜で警戒にあたりました。
末川徹 記者
「今も避難指示が継続されていて、これより先に近づくことはできません。消防などが警戒を続けています」
27日も現場付近の住民からは「山から異音を聞いた」という声が聞かれました。
付近の住民
「家の中にいて、ドーンといったので今、何かあったと外に出てみたけど、別に景色は変わっていなくて…。何の音だったんだろうと不安で中にいたという状態。本当に分からない…、何がなんだか」
末川徹 記者
「午後3時過ぎです。土砂災害に詳しい専門家が現地入りしました。自治体や消防など関係者らと話をしています」
27日午後、砂防学が専門で、広島大学の 海堀正博 特任教授が、県の職員たちと現地に入りました。
広島大学 海堀正博 教授(砂防学)
「明らかに新たに崩れたところを発見しているというのを、今、教えてもらった。今、その近くまで行くかもしれないが、おそらくそれを見ると落石が原因で落ちたものが木をなぎ倒すような形で木がボキボキ折れる音につながったのではと判断される」
海堀特任教授によりますと、画像を確認したところ、小規模な範囲で山肌が崩れているものの、崩れた木や石は山の中でとどまっているということです。
広島大学 海堀正博 教授(砂防学)
「ほんのごく一部の落石が原因だとおそらく結論づけられると思うので、広い範囲の崩れたものがこの住宅地を襲うようなものという想定までは必要ないかもしれない」
ただ、「少ない雨量で異音が発生していることから、山の特性などについてもう少し調べる必要もある」としています。
県は、ドローンレーザーを使った調査でも山の状況について分析を進めていますが、呉市によりますと、現地の安全確認には数日がかかる見込みだということです。
消防や警察は、引き続き警戒することにしています。