茨城・龍ケ崎の萩原市長 市議選前に「陣中見舞い」で現金 市議11人に配布

「陣中見舞い」の配布について説明する萩原勇市長=龍ケ崎市役所

茨城県龍ケ崎市の萩原勇市長が23日に投開票された市議選の告示前に、立候補を予定していた市議11人に対し、陣中見舞いとして現金1~2万円を渡していたことが28日、明らかになった。いずれも既に回収したという。政治家の選挙区内での寄付を禁止する公職選挙法に抵触する可能性があり、萩原市長は同日の定例会見で「おわび申し上げる。しっかり対応する」と謝罪した。

萩原市長によると、告示前の4月上旬、市議の自宅や選挙事務所などを訪れ、現金が入った祝儀袋を市議本人に渡したり、留守時には玄関に置いたりした。

その後、受け取りを拒まれたり、周囲から違法性を指摘されたりしたため、全て回収したという。

萩原市長は会見で「認識が甘かった」と釈明。辞職を否定する一方、「減給を含め、内部で話し合いをして判断させてほしい」などと述べた。

公選法は政治家の選挙区内での寄付を禁止しているが、政治団体などへの寄付は認められており、受け取った側が収支報告書へ記載するなどの会計処理が必要となる。

当選した市議の1人は「ポストに入っていたのに後から気付き、15日に自宅まで返しに行った」と話した。別の市議は「あまりに軽率。いずれ議会でただしたい」と語った。

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